香川県議会 > 2022-09-02 >
令和4年9月定例会(第2日) 本文

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  1. 香川県議会 2022-09-02
    令和4年9月定例会(第2日) 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    高  城  宗  幸 君    新  田  耕  造 君    氏  家  寿  士 君    松  岡  里  佳 君    里  石  明  敏 君    城  本     宏 君    植  條  敬  介 君    鏡  原  慎一郎  君    秋  山  時  貞 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    山  本  悟  史 君    樫     昭  二 君    松  本  公  継 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    西  川  昭  吾 君    十  河     直 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    広  瀬  良  隆 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    斉  藤  勝  範 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    大  山  一  郎 君    都  築  信  行 君
       鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君    石  川     豊 君   欠  席  議  員    な        し    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事    池  田  豊  人 君           副  知  事    西  原  義  一 君           病院事業管理者    太  田  吉  夫 君           審  議  監    大  山     智 君           政 策 部 長    淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長    椋  田  那津希  君           危機管理総局長    田  中  一  裕 君           環境森林部長     木  村  士  郎 君           健康福祉部長     三  好  謙  一 君           商工労働部長     寺  嶋  賢  治 君           交流推進部長     佐  藤  今日子  君           農政水産部長     新  池  伸  司 君           土 木 部 長    安  西     愼 君           文化芸術局長     小  川     剛 君           知事公室長      尾  崎  英  司 君           子ども政策推進局長  井  元  多  恵 君           会計管理者      小  川  秀  樹 君           病 院 局 長    岡  田  総  一 君           デジタル戦略総室長  井手下   慶  博 君           教  育  長    工  代  祐  司 君           公安委員会委員長   泉     雅  文 君           警察本部長      今  井  宗  雄 君           代表監査委員     木  下  典  幸 君           監査委員事務局長   田  井  慎  二 君           人事委員会委員    平  尾  敏  彦 君           人事委員会事務局長  森  岡  英  司 君           労働委員会事務局長  河  内  一  裕 君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第二号)                 令和四年九月二十六日(月)午前十時開議 第  一 議案第 十三号 令和四年度香川県一般会計補正予算議案 第  二 議案第 十四号 令和三年度香川県一般会計の決算の認定について 第  三 議案第 十五号 令和三年度香川県特別会計の決算の認定について 第  四 議案第 十六号 令和三年度香川県立病院事業会計の決算の認定に              ついて 第  五 議案第 十七号 令和三年度香川県流域下水道事業会計の決算の認              定について 第  六 議案第一号から議案第十一号まで、及び議案第十三号から議案第十      七号までに関する質疑 第  七 県の一般事務に関する質問 第  八 決算行政評価特別委員会設置の件    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程に入るに先立ちまして、諸般の報告をいたします。  職員に朗読させます。    (職員朗読)   諸般の報告 一、知事から、地方自治法第百四十九条の規定に基づく議案五件を受理いたし   ました。 一、知事から、地方自治法第二百三十三条第三項及び第五項並びに地方公営企   業法第三十条第四項及び第六項の規定に基づく決算関係書類を受理いたし   ました。 一、知事から、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第三条第一項及び第   二十二条第一項の規定に基づく報告書を受理いたしました。 一、教育委員会から、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十六条第   一項の規定に基づく報告書を受理いたしました。 一、議案第十二号の先議に伴う議案第一号の計数整理の結果につきましては、   九月二十二日に配付いたしております。 一、陳情六件を受理いたしました。 ◯議長(高城宗幸君)以上で諸般の報告を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)日程第一、議案第十三号、令和四年度香川県一般会計補正予算議案から、日程第五、議案第十七号、令和三年度香川県流域下水道事業会計の決算の認定についてまでの五議案を一括議題といたします。  知事の提案理由の説明を求めます。  池田知事。    (知事池田豊人君登壇) ◯知事(池田豊人君)本日、追加上程されました議案につきまして御説明いたします。  第十三号議案は、一般会計補正予算議案でございます。令和五年五月に開催されます広島サミットに合わせて、都市大臣会合が高松市において開催されることが九月十六日に決定されたことから、高松市などと連携を図りながら、開催に向けた準備や関連行事などを行うための経費を計上するものであります。  次に、第十四号議案から第十七号議案までは、一般会計及び特別会計並びに企業会計である県立病院事業会計及び流域下水道事業会計の令和三年度決算につきまして、いずれも議会の認定を得ようとするものでございます。  議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決並びに御認定賜りますようにお願いいたします。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)以上で提案理由の説明を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)次に、日程第六、議案第一号から第十一号まで、及び議案第十三号から第十七号までを議題とし、ただいまから議案に関する質疑並びに日程第七、県の一般事務に関する質問を併せて代表により行います。  自由民主党香川県政会代表谷久浩一君。    (谷久浩一君登壇、拍手) ◯谷久浩一君 私は、ただいまから自由民主党香川県政会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事、教育長並びに警察本部長に質問をいたします。  質問に先立ちまして、一言申し述べさせていただきます。  去る七月八日、参議院議員通常選挙の応援演説中に安倍晋三元内閣総理大臣が凶弾に倒れて御逝去なされました。安倍元総理は、アベノミクスをはじめ、そのリーダーシップと実行力によって我が国を強力に導いてこられ、内閣総理大臣を三千百八十八日という長きにわたり務められました。明日、国葬が執り行われますが、その御功績をたたえ、深く感謝申し上げますとともに、ここに謹んで哀悼の意を表し、心より御冥福をお祈り申し上げます。  さて、今年は年初から少雨傾向が続き、早明浦ダムの貯水率が著しく低下したことを受け、本県では九年ぶりとなる香川用水への供給量を五〇%カットする第三次取水制限が七月二日から実施されました。また、今年の夏は大変暑く、猛暑日も県内で七月二十六日から二十二日間連続するなど、記録的なものとなりました。  この暑かった令和四年の夏において、知事選挙を制し、このたび見事初当選を果たされました池田知事に対し、心からお喜びを申し上げます。  我が香川は、故大平総理が提唱された田園都市国家構想にありますように、瀬戸内の穏やかな気候や風土の中に豊かで暮らしやすい生活圏域を形づくっており、これは全国に誇れるものであります。池田知事には、これから香川県がより豊かで、より住みやすい、より輝く県となっていくよう、その手腕を遺憾なく発揮をしていただきたいと期待しているところであります。  言うまでもなく知事と我々議会は、二元代表制の一翼を担う者同士であります。よりよい香川を築き上げるという同じ目標を持ち、しっかり議論をしていく上で、県民のための結論を出していきたいと考えております。  以上申し上げまして、質問に入らせていただきます。  質問の第一点は、知事の政治姿勢についてであります。三点お伺いしたいと思います。  その第一は、県政運営についてであります。  知事のこれまでの経歴を拝見しますと、昭和六十一年に当時の建設省に入省され、以来約三十五年にわたり、全国のまちづくり、災害対応、そして道路整備などに従事してこられました。国土交通省に改編された後は近畿地方整備局長や道路局長を歴任されましたが、地方での勤務経験も豊富にあり、各地の地方自治体の組織や仕事の進め方を学び、地方の暮らしや経済の課題を肌で感じるうちに郷土香川の発展に貢献したいとの思いを強くし、今回の知事選挙に挑戦されたと伺っております。その挑戦が実り、思いを形にするときがやってまいりました。これまで培ってきた豊富な行政経験と人的ネットワークをフル活用し、あらゆる施策で池田カラーを大胆に打ち出されることを、県民や我々議会は大いに期待をしております。  郷土香川は、これまで幾多の先人たちの努力により、その時々の課題を解決しながら着実に発展を続けてまいりました。そして、これからも我々の世代はもちろん、次の世代にも豊かな郷土を実感できるように、一層の発展を目指さなければなりません。  この点、私は、本県がさらなる飛躍、成長を遂げていくためには、雇用機会やにぎわいなどの都市の長所と、地域の結びつき、人と人とのつながりなどの田園の長所を併せ持つ田園都市香川の構築に継続して取り組み、県民が安心して生涯を過ごすことのできる環境を充実させるとともに、世界の宝石とも称される瀬戸内海などの香川の地域資源の魅力の発信や四国の中枢拠点都市としての地位を確立することなどにも取り組み、県外から積極的に活力を呼び込むことが必要であると考えるのであります。  一方で、知事が直ちに取り組まなければならない喫緊の課題もあまた存在しているのであります。現在、本県は、新型コロナウイルス感染症はもとより、いつ発生してもおかしくない大規模自然災害、人口減少の急速な進行と地域活力の衰退に加えて、ロシアのウクライナ侵略など国際情勢の不安定化、原油価格の高騰、円安による影響など、様々な困難に直面をしています。池田知事には、目の前の困難を克服しつつ、将来の発展も目指すといった二兎を追う難しいかじ取りが求められております。多くの県民から負託された責任は極めて重大であります。  知事からは今期定例会の開会日に所信の一端をお示しいただいておりますが、改めてどのような方針の下、県政運営を進めるおつもりなのか、決意とともにお伺いをいたします。  質問の第二は、財政運営の基本的な考え方と来年度の予算編成基本方針についてであります。  本県では、平成十六年度以降、地方交付税の大幅な削減等により県財政が悪化し、これまで累次にわたる財政再建方策や財政運営指針を策定し、持続可能な財政構造への転換を目指してきました。県が昨年十一月に公表した新たな財政運営指針において本県財政の見通しの推計を行ったところ、今後も一般財源総額の大幅な増加が見込めず、また、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するおそれや社会保障関係費や公債費の増加などにより、令和四年度から令和七年度までの四年間で何らの対策を講じない場合、総額八百七十四億円の収支不足が見込まれると示されました。  一方で、先ほども申し上げましたが、県政には新型コロナウイルス感染症対策、防災・減災対策、人口減少対策、デジタル化や脱炭素社会への取組をはじめ、対応しなければならない課題は山積しており、これらの行政需要に対応するためには相当の財政出動が必要となってきます。  また、これから知事が目指す新しい香川づくりを進めるに当たっては、財政規律も大切ではありますが、県内経済の着実な成長を図り、税収を増加させ、県民生活の豊かさと本県の稼ぐ力の向上をもたらすための課題解決型の財政運営を行うことも必要であると考えています。
     そこで、知事は本県財政の状況や見通しをどのように認識しているのか、そして、今後、知事の目指す香川づくりを行っていくためにどのような財政運営をしていくのか、その基本的な考えについてお伺いをいたします。  また、今後始まります令和五年度の予算編成は池田知事にとって初めての予算編成であり、知事が目指す香川づくりを具体化する新しい施策が提案されるものと思います。来年度の予算編成に当たり、どのような基本方針で臨むのか、その考えをお伺いいたします。  その第三は、新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組についてであります。  令和元年十二月に中国武漢市で原因不明の肺炎が報告されて以降、新型コロナウイルスは変異を繰り返しながら、世界中の人々の生命・健康を脅かしてきました。アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の集計によりますと、世界の新型コロナウイルス感染者は八月二十六日に累計六億人を超え、死者数は六百四十八万人を超えたと報じられています。  本県においては、令和二年三月十七日に県内で初めての感染者が報告されて以来、感染の拡大と小康状態を繰り返してきましたが、新型コロナウイルスは、BA.2からさらに感染力が強い変異ウイルスであるBA.5への置き換わりが急速に進んだ影響により、新規感染者数が爆発的に増加し、八月十八日には本県の新規感染者数が二千七百六十二人と過去最多となりました。また、八月末までに累計十二万人を超える感染者が発生しております。  こうした中、県はこれまで保健医療提供体制の構築、感染防止の徹底及びワクチン接種の促進に取り組んできましたが、BA.5が流行の中心となったことを踏まえて、八月十日から「香川県BA.5対策強化宣言」を行い、県民に感染防止対策の徹底を呼びかけたところであり、今後も引き続き感染拡大の抑制対策を講じていくとともに、次の変異ウイルスの出現による感染拡大への備えにも取り組んでいく必要があります。  一方、本年二月に始まったロシアによるウクライナ侵略や急激な円安などの影響による原油価格の高騰や原材料・資材価格等の上昇は、企業や事業者の経営に打撃を与え、また、食料品等生活関連物資の度重なる値上げにより国民生活を直撃しております。  本県の経済は、長期にわたる新型コロナウイルス感染症の感染拡大や物価高騰により、宿泊業や旅行業、飲食業、運輸業、農林漁業をはじめ、とりわけ中小企業・小規模事業者において一層厳しい状況となっており、事業と雇用を守ることも重要であります。  県においては、国の交付金などを活用し、雇用の維持や事業の継続、生活支援、地域経済の回復・活性化について総合的に対策を講じるために六月議会で補正予算を計上したところでありますが、物価高騰の収束はいまだ見通せず、影響は長期にわたることが予想されることから、早急に予算を執行するとともに、必要であれば追加の対策を講じていかなければなりません。  知事は、知事選の初当選を決められた八月二十八日の会見で、まずは新型コロナウイルス対策、物価高騰対策に緊急に対応したいと述べられております。そこで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の抑制と物価高騰の中での社会経済活動の維持の両立に向けて、今後、県としてどのように取り組むのか、知事にお伺いをいたします。  質問の第二点は、これからの県庁づくりについてであります。  今、県庁を取り巻く環境は、様々な行政課題が顕在化していることに加え、デジタル化・オンライン化の加速、働き方改革の推進など、大きな変化のうねりの中にあります。これらの課題や変化に適切に対応していくためには、まずは行政サービスを提供する職員自らが今までの仕事のやり方を見直し、より一層の業務の効率化を図っていく必要があると考えます。そして、現状に満足したり、課題を先送りすることなく、県庁を、県民のため、地域のために何ができるかを常に考え、施策として実行に移していくことができる組織として、その力を最大限発揮させていくことが必要です。  本県では、現在の香川県行財政改革基本指針二〇二一に至るまで、累次にわたって行財政改革の基本的な方針を定め、これに基づいて組織の見直しや効率的・効果的な業務執行体制の構築、人材の確保・育成・活用などに取り組み、歴代の知事や職員がたゆみない努力を重ねてきた結果、一定の成果を上げてきたのではないかと思います。ただ、多様化する県民のニーズに応える行政を展開するために、業務の効率化を進めて質の高い県民サービスを提供していくことや、人材の確保・育成・活用の観点からも職員の働きやすい職場づくりを行っていくことにゴールはないと思いますし、縦割り意識や前例踏襲意識に過度にとらわれることなく、高いチャレンジ精神を持って仕事に取り組むという点においては、道半ばのところがあるように思います。  知事におかれましては、これまで国家公務員という立場で霞ヶ関や各自治体の職場をつぶさに見てこられたと思います。先ほどの質問でも課題解決型の財政運営と申し上げましたが、これから香川県庁という巨大組織をリードしていくに当たり、今まで積み上げてこられた豊富な知識や経験を生かして、時代の変化や高度化・複雑多様化する行政課題に柔軟かつ迅速に対応できる県庁づくりにぜひとも取り組んでいただくようお願いしたいと思います。  そこで、今後ますます変化していく社会情勢を踏まえ、限られた資源の中、業務の効率化や職員の意識改革をはじめとした課題を抱えている県庁について、県民本位、地域本位で県の施策を着実に推進し実現をしていくため、これからどのように運営をしていくのか、知事のお考えをお伺いいたします。  質問の第三点は、防災・減災対策についてであります。  近年は、気候変動等の影響により大規模な風水害や土砂災害が各地で発生し、多くの犠牲者が出るなど、甚大な被害がもたらされています。温暖な気候に恵まれ、自然災害が比較的少ないと言われる本県においても、平成十六年には台風が相次いで襲来し、土砂災害や高潮、河川の氾濫などにより十九名の貴い命が失われました。四年前には平成三十年七月豪雨により近隣の愛媛県や岡山県などで甚大な災害が発生しており、本県では同様の被害は生じなかったものの、それは紙一重の差であって、本県が被災していたのかもしれないと考えています。  また、地震についても、二万人を超える死者・行方不明者を出した平成二十三年の東日本大震災をはじめ、その後も平成二十八年の熊本地震や平成三十年の北海道胆振東部地震など、貴い命が奪われる大規模な地震が相次いで発生しています。本県にも大きな被害が想定されている南海トラフ地震は、これまで百年から百五十年の周期で繰り返し発生しており、国の地震調査委員会の公表によると、今後三十年以内の発生確率は七〇%から八〇%とされ、さらに四十年以内の発生確率は今年一月に九〇%程度に引き上げられており、いつ発生してもおかしくない状況であります。  南海トラフ地震は、東日本大震災の原因となった東北地方太平洋沖地震と同様な海溝型の巨大地震で、県が平成二十六年に公表した香川県地震・津波被害想定調査報告書では、最悪の場合、死者数六千二百人、負傷者数一万九千人、全壊・焼失家屋約三万五千棟、避難所への避難者数が十一万九千人という甚大な被害が想定されています。一方で、地震発生後、直ちに適切な避難をすれば津波による死者数は約二十三の一に、家具類の転倒・落下防止対策を一〇〇%実施すれば死傷者数が約四分の一に、建物の耐震化を一〇〇%にした場合には全壊棟数が約十一分の一に軽減されるなど、大幅な減災効果の推計もなされています。  災害は忘れた頃にやって来る、備えあれば憂いなしと言われますが、過去の本県での被災状況や他県における災害の状況を見れば、池田知事は、防災・減災対策には特に力を入れなければならないと認識を持たれていると思います。また、中でも災害時には、救急救命や救援物資の運搬など重要な役割を担うこととなる高松環状道路などの高規格道路の整備や、災害後にいち早く日常生活を取り戻すための災害廃棄物の速やかな撤去やその処理などについては、特に対策が必要であると考えています。  そこで、県では、大規模な災害の発生に備えるため、これまでも東日本大震災など、全国各地で相次いで発生した災害の教訓等も踏まえながら、県有施設の耐震化や県民の防災意識の向上など、ハード、ソフトの両面で様々な防災・減災対策を実施しておりますが、今後、南海トラフ地震対策をはじめとする防災・減災対策について、どのように取り組んでいくのか、知事のお考えをお伺いいたします。  質問の第四点は、脱炭素・地球温暖化対策であります。  気候危機とも言われている気候変動問題は、私たち一人一人、地球に生きる全ての生き物に結びついた、避けて通ることができない課題であります。二〇二一年八月に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第六次評価報告書によると、気候システムの多くの変化は地球温暖化の進行に直接関係して拡大しており、極端な高温、海洋熱波、大雨などの変化がこれに含まれていると報告されており、地球温暖化を抑えることが重要であるということが確認されました。  これに先立ち、国においては二〇二〇年十月、菅前総理が、二〇五〇年温室効果ガス排出を実質ゼロにする、すなわちカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと宣言し、二〇二一年四月に開催された気候サミットにおいて、二〇三〇年度に温室効果ガスを二〇一三年度から四六%削減することを目指すこと、さらに五〇%の高みに向けて挑戦を続けていくと表明いたしました。これを受け、「グリーン社会の実現」が主要施策の一つに位置づけられ、地域脱炭素ロードマップの作成や地球温暖化対策計画エネルギー基本計画が改定されるなど、脱炭素への動きが加速しています。  また、二〇二一年後半以降、新型コロナウイルス感染症からの経済回復に伴ってエネルギー需要が急拡大する一方で、世界的な天候不順や災害、化石資源への構造的な投資不足などの要因に加え、昨今のロシアによるウクライナ侵略によりエネルギー価格が高騰しており、我が国のエネルギー安全保障という課題が顕在化する中、深刻な気候危機と長期化のおそれがあるエネルギー危機に対応していくためには、省エネルギーの推進や再生可能エネルギー等の導入促進など、脱炭素に向けたより一層の取組が強く求められています。  こうした中、県においては、昨年十月に香川県地球温暖化対策推進計画を策定し、国の二〇三〇年度の削減目標に即し、二〇二五年度の温室効果ガス排出量を二〇一三年度比で三三%削減するという数値目標を掲げ、地球温暖化対策に取り組んでいるところであります。さらに、地球温暖化対策は多岐にわたっているため、十二月には香川県脱炭素・地球温暖化対策本部を立ち上げ、全庁を挙げて取り組む体制を整備するとともに、令和四年度当初予算において地球温暖化対策関連予算として六億二千万円余を計上し、様々な分野で事業を実施しています。  また、県民、事業者、行政が一体となって脱炭素に向けた取組を進めるため、本年四月には関係団体や市町で構成される香川県地域脱炭素推進協議会を設置し、その中で本県における地球温暖化対策の中長期的な工程表を策定する予定と伺っておりますが、これには経済成長への影響も考慮しながら進めることが重要であると考えます。  そこで、今後、脱炭素・地球温暖化対策をどのように進めていくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第五点は、子ども政策についてであります。  厚生労働省の人口動態統計によりますと、本県における令和三年の出生数は六千二百二十三人で、過去最少であった前年の六千百七十九人と比べて微増となっているものの、依然として少子化の進行に歯止めがかからない状況であります。  少子化の背景には、経済的な不安定さ、出会いの機会の減少、男女の仕事と子育ての両立の難しさ、家事・育児の負担が依然として女性に偏っている状況、子育て中の孤立感や負担感、子育てや教育に係る費用負担の重さ、年齢や健康上の理由など、個々人の結婚や出産、子育ての希望を阻む様々な要因が複雑に絡み合っています。  こうした状況の中、結婚、出産、子育てなどの希望の実現を後押しするとともに、次代を担う子供たちを安心して生み、健やかに育てることに夢や希望を感じることができる環境づくりに取り組むことは、人口の自然増だけでなく、若者の県外流出を防ぎ、県外からの移住・定住を促進するなど、社会増にも寄与するものであります。  本年六月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇二二、いわゆる骨太方針二〇二二の「社会課題の解決に向けた取組」において、「「こども家庭庁」を創設し、こども政策を推進する体制の強化を図り、常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えていく。」ことが明記されており、現在、国においては、こども家庭庁設置法の成立を受け、設立準備室を立ち上げ、子ども政策の司令塔となるこども家庭庁の来年四月の発足に向けて準備が進められているところであります。  本県においても、これまで「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画において、「子育て県かがわ」の実現を重点施策の一つとして掲げ、結婚から妊娠・出産を経て、子育てまでの切れ目ない支援を総合的に推進したところであります。  また、知事は、このたびの選挙で公約の三つの柱の一つである「県民100万人計画」の中で、出産時のサポート及び病児保育や求職中保育の充実などを進め、「子育てしやすい香川県」と言われる県を目指すと表明されており、子ども政策を県政の重要施策と位置づけているものと承知しております。子ども政策は、その取組が遅れれば遅れるほど、知事の掲げる「県民100万人計画」の達成がより困難になりますことから、早急に本県の現状と課題を踏まえた対策に取り組んでいく必要があります。  そこで、本県における少子化対策や子ども・子育て支援について、その現状と課題をどのように認識しているのか、そして、それらを踏まえて今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第六点は、県内産業の活性化についてであります。  直近の六月調査の日銀短観において、県内企業の景気判断指数は全体では四期ぶりに改善に転じたものの、製造業は横ばいのままであり、コロナ禍に原油価格や物価の高騰等の影響が重なり、県内の景気状況はいまだ厳しいものが続いております。  また、民間信用調査会社が八月に実施した調査では、第七波の感染拡大の中、県内企業の七六・五%が依然「コロナの影響が継続している」と回答しており、原油価格・物価高騰等の影響を受ける中、コロナ禍から社会経済活動の正常化をいかに図っていくかということが喫緊の課題となっております。  さらに、近年の社会経済情勢の変化に伴う課題として、人口減少が進行する中での国内市場の縮小、生産年齢人口の減少に伴う人材不足、経営者の高齢化などに伴う中小企業・小規模事業者の市場からの撤退、また、若者の大都市圏への流出などが挙げられます。  デジタル化や脱炭素化という大きな変革の波の中で、国は、人口減少に伴う労働力不足に対応するため、創造性を発揮して付加価値を生み出していく原動力となる人への投資をはじめ、AIやバイオテクノロジー分野などの科学技術・イノベーションへの投資、資金調達環境の整備や起業を支える人材の育成・確保を推進するスタートアップへの投資、二〇五〇年カーボンニュートラルの達成を見据え、脱炭素社会への実現に向けたGX(グリーン・トランスフォーメーション)への投資、そして、デジタル社会の実現に向けたDX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資という五本の柱を重点分野に置いた「新しい資本主義」を強力に推進していこうとしております。  本県においては、平成二十五年度に産業振興の指針として国に先駆けて策定した香川県産業成長戦略が、今年度で最終年度を迎えることになります。現戦略は、策定から五年目の平成三十年三月に社会経済情勢の変化に対応した見直しを行っているものの、この五年、十年の間には人口減少が一層進行する一方で、デジタル技術が進歩し、近年では新型コロナウイルス感染症の影響により生活様式やビジネスモデルの変革が求められるほか、脱炭素社会の実現に向けた取組が加速するなど、社会情勢は目まぐるしく変化しており、本県経済の持続的発展を図るためには、それらの変化に的確に対応していくことが求められております。  加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、製造業では国内におけるサプライチェーンの脆弱性が顕在化し、海外生産拠点の国内回帰の動きが見られるとともに、テレワークを活用した場所にとらわれない新しい働き方が定着しつつあることから、若者の雇用の創出につながるような企業誘致の取組を進めていくことも求められております。  そこで、社会情勢の変化に伴う様々な課題を乗り越えながら、持続的に県内産業の活性化を図るため、今後どのように対応していくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第七点は、高松空港の国際航空ネットワークと外国人観光客の誘致についてであります。  国は、平成十八年の観光立国推進基本法の成立を受け、翌年に、平成二十二年までに訪日外国人旅行者数を一千万人とすることを目標とした観光立国推進基本計画を閣議決定し、その後、改定を重ね、観光立国の実現を推進してきました。  この間、本県では、知事をはじめ関係団体等の努力の積み重ねにより、既存のソウル線に加え、上海線、台北線、そして香港線と、その航空ネットワークを拡充してきたのであります。そして、コロナ前の平成三十年度における高松空港国際線の定期路線利用者数は、過去最高の年間約三十一万九千人にまで増加することとなりました。また、本県の外国人延べ宿泊者数も、直行便の就航先等からの集客により増加を続け、令和元年度には過去最高の約七十七万二千人泊となるなど、四国・瀬戸内の拠点空港である高松空港の国際航空ネットワークは地域経済の活性化に大きく寄与してきたところであります。  しかし、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行したことにより、令和二年三月からは全ての国際線が運休することになり、それまで堅調に推移してきた外国人観光客が激減したことから、県内の観光関連産業をはじめとする地域経済は大きな打撃を受け続けております。  このような中、本年六月に岸田首相が高松空港における国際線の七月中の受入れ再開を表明されたことを受けて、観光関連産業のみならず、多くの県民からも、国際線の運航再開と外国人観光客の誘客によって再び地域経済が活性化することを期待する声が高まっています。既に、高松空港内の検疫体制をはじめ、入管や税関などの機関についても国際線の受入れ体制が整っているとのことですが、新型コロナウイルス感染症や日本及び就航国・地域の水際対策の影響がいまだに大きいことから、現在も国際線の運航再開が実現されていない状況にあります。  コロナ禍により落ち込んだ地域経済を回復させるには、ほかの地方空港よりいち早く国際線の受入れ体制を整えることができた優位性を生かし、各航空会社等への運航再開の働きかけや運航再開を見据えたインバウンド需要の創出強化、そして運航再開後の積極的な需要回復対策の実施が重要であります。  さらに、昨今の国際情勢を考慮した場合、カントリーリスクを軽減するため、高松空港株式会社がマスタープランにおいてタイやシンガポールなどへの国際航空ネットワークの拡大を表明していることに歩調を合わせ、現在のネットワークの維持にとどまることなく、東南アジア等へのさらなる拡充に向けた取組も必要であると考えます。  そこで、本県経済の活性化を図るために大変重要な施策であります国際航空ネットワークの維持・拡充と、それに伴う外国人観光客の誘客について、トップセールスを含め、その意気込みを知事にお伺いするとともに、一日も早い国際線の運航再開と、その後の外国人観光客の誘客促進に、今後どのように取り組んでいくのか、併せてお伺いいたします。  質問の第八点は、農業振興についてであります。  我が国の農業・農村を取り巻く環境は、農業者の減少や高齢化に伴う労働力不足、縮小する国内市場における地域間競争の激化、農産物価格の低迷や耕作放棄地の増加など、依然として厳しい状況にあります。それに加えて、昨今では主要穀物の一つである小麦について、輸入価格が高騰しています。これは、小麦輸出国における天候不順による不作や国内供給を優先することによる輸出停止、新型コロナウイルス感染症の世界的流行やロシアによるウクライナ侵略の影響などにより、輸出量の減少や輸出の遅滞を引き起こしていることの要因によるものであり、将来的に継続して輸入農産物が確保できるか懸念されている状況です。  また、先日、農林水産省が令和三年度における我が国の食料自給率は三八%だと発表いたしましたが、農林水産省が国際比較のため令和元年のデータを基に試算した諸外国の食料自給率を見ると、例えば、ドイツは八四%、イギリスは七〇%であり、これらと比べると我が国は非常に低い水準にあります。  命の源である食を守っていくためには、国内で食料を安定的に生産していくことが重要であり、これを担う農業は非常に大切であると改めて認識したところであります。  本県は、一年を通して日照時間が長く、温暖少雨な瀬戸内海式気候に恵まれているとともに、大消費地である京阪神地域にも近いという立地条件の下、耕地面積が狭い中でも、県オリジナル品種である米の「おいでまい」や小麦の「さぬきの夢」をはじめ、冬レタスやブロッコリーなど、全国上位の生産量を誇る野菜のほか、市場からの評価も高い温州ミカンの「小原紅早生」やブドウの「シャインマスカット」などの果物、小豆島をはじめ県内各地で栽培され、全国一の生産量を誇るオリーブなど、本県においては高品質で特色ある農産物の生産が幅広く行われてきているところであります。  一方、本県の農業・農村については、経営体当たりの経営耕地面積や認定農業者など核となる担い手へ集積された農地割合を示す農地集積率、農地の規模・形状の変更、用排水施設等の整備などを実施した農地の割合を示す圃場整備率は全国低位であり、作付延べ面積も減少傾向を示すなど、農業生産性の面において決して恵まれた状況にあるとは言えませんが、次の世代に農業を継承していくためには、県として、改めて本県の農業を守り育てていくような取組を積極的に展開していく必要があるのではないかと考えます。  そこで、本県農業の現状をどのように認識し、今後、農業をどのように振興していくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第九点は、社会資本の整備についてであります。  社会資本は、現在及び未来の県土・地域を形づくる礎であり、長期間にわたって幅広く県民生活や社会経済活動を支えるものであります。社会資本が世代を超えて有効に活用されるためには、時代の変化を読み取り、それに応じて社会資本に求められる機能の変化を見通して、社会資本の整備に的確に反映させ、蓄積・高度化を図っていくことが求められています。  国においては、昨年五月に、社会資本の整備を重点的、効率的かつ効果的に推進するため、令和七年度までの第五次社会資本整備重点計画が閣議決定されました。重点計画として、従前の「防災・減災が主流となる社会の実現」、「持続可能なインフラメンテナンス」、「持続可能で暮らしやすい地域社会の実現」、「経済の好循環を支える基盤整備」の四つの目標に加え、「インフラ分野のデジタル・トランスフォーメーション(DX)」と「インフラ分野の脱炭素化・インフラ空間の多面的な利活用による生活の質の向上」に関する二つの目標を新たに追加したところであります。この全国レベルの計画に基づき、昨年八月に四国ブロックにおける社会資本重点整備計画が策定されたところであります。  そうした中、本県では、今後三十年以内に七〇%から八〇%の確率で発生するとされている南海トラフ地震や激甚化・頻発化する風水害などの自然災害から県民の生命や財産を守るための防災・減災対策、高度経済成長期以降に集中的に整備された橋梁やトンネルなどのインフラ老朽化対策などが喫緊の課題となっており、社会資本の着実な整備推進が強く求められております。  また、地域経済の活性化や交流人口の回復・拡大を図るため、高松西インターチェンジと高松空港を結ぶ空港連絡道路や高松環状道路といった県内の幹線道路ネットワークの整備や四国の新幹線の早期実現などに積極的に取り組んでいくとともに、戦略的な産業振興を図るため、地域の産業競争力の強化や利用企業の物流効率化に貢献することが期待される高松港国際物流ターミナルの外貿機能強化や、しゅんせつ土砂等の処分場の安定確保と臨海部の土地需要に対応するため、海面処分場の設置による産業用地の確保を進めるなど、港湾整備にも計画的に取り組んでいく必要があると思います。  これまでも、安全・安心の確保や持続可能な地域社会の形成、地域経済の成長を図るため、本州四国連絡道路や高松自動車道をはじめとする社会資本の整備が進められてきました。一方で、引き続きこれらの目的を達成していく上で必要となるインフラが十分ではなく、他県に比べて社会資本の整備が遅れているのではないかとの指摘もあります。  知事は、これまで約三十五年間の国土交通省勤務において、全国の安全・便利な地域づくりに携わってきたとお伺いしております。そこで、本県の社会資本の整備について、現在の状況をしっかりと把握した上で、今後どのように取り組んでいくのか、知事のお考えをお伺いいたします。  質問の第十点は、県立病院の経営についてであります。  県立病院を取り巻く経営環境は、人口減少、少子高齢化の進展による医療需要の変化のほか、国の医療費抑制や働き方改革の推進、さらには新型コロナウイルス感染症等の新たな感染症の影響など、今後も厳しい状況が続くことが見込まれます。こうした状況においても、県立病院は、県議会の議決を経て去年十月に策定した第四次県立病院中期経営目標に基づき、最適・最善・最新の医療を提供し、県民とともに歩む県立病院づくりを目指して、中央病院は全国トップレベルの医療を提供する「県民医療最後の砦」として、丸亀病院は「県の精神医療の基幹病院」として、白鳥病院は「特色のある地域の中核病院」として、それぞれの病院がその果たすべき役割をしっかりと見据え、その地域において切れ目のない医療の提供を実現することが必要であります。また、県立病院の経営に当たっては、県立病院としての公共性と企業としての経済性を両立し、県民に最良な医療を持続的・安定的に提供していくため、経営基盤の一層の強化を図っていく必要があります。  県立病院事業会計の令和三年度の決算については、総収支は平成二十四年度以来八年ぶりの黒字決算となった令和二年度に続き、二年連続で黒字となる見込みですが、令和三年度の患者数については、三病院合計で昨年度を上回っているものの、コロナ感染拡大前の令和元年度と比較すると、入院患者が約七%、外来患者が約一〇%少ない状況であります。  これまでも各病院では積極的に病院改善に取り組んでいると承知しておりますが、今回の三病院の合計の黒字については、医業収益が昨年度に比べて大幅に改善したことによる影響もありますが、新型コロナウイルス感染症に係る補助金等の影響によるところが大きいと考えられます。監査委員からも、新型コロナウイルス感染症の収束後を見据え、引き続き各病院の特性に応じた経営の改善に努めることが求められるとの意見が述べられています。  一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時に、公的病院が多くの新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れてきたことで、公立病院の果たす役割の重要性が広く国民に認識されてきたところであり、県立病院の経営は採算面ばかりが前面に出るというのではなく、不採算部門であっても必要な予算を確保して、県民が求める役割を果たしていくことも重要であります。  そこで、県立病院の経営について、現状をどのように認識し、今後どのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。  質問の第十一点は、香川を支える人づくりについてであります。  知事は、今期定例会冒頭の所信表明において、人口減少やコロナ禍など、これまでと異なる社会情勢が進むような時代の変化の中でも、豊かで幸せな暮らしが送れ、新しい発展の姿を見せることができる香川にしたいと述べられています。そして、「大事なものを守る」、「新しいものをつくる」、「誰一人取り残さない」という三つの理念を掲げ、魅力あふれる地域である「人生100年時代のフロンティア県」の実現のため、安全・安心で住みたくなる香川を目指す「県民100万人計画」、経済発展に向けた活力に満ち、挑戦できる香川を目指す「デジタル都市100計画」、多くの人が行き交う、訪れたくなる香川を目指す「にぎわい100計画」の三つの柱とし、新しい香川の発展に向け全力を尽くすと宣言されました。  これらの計画を実現するためには、これからの社会を担い、人生百年時代を生涯にわたって活躍できる人材の育成や確保が重要であり、香川の未来を支える人づくりを担う教育分野の施策に力を注ぐ必要があるのではないかと考えます。  一方、本県の教育を取り巻く環境は、令和三年の香川県人口移動調査によりますと、出生者数が六千三百人弱と、十年前の平成二十三年の八千三百人余と比べ約二五%減少し、今後、少子化により児童・生徒数は大きく減少することが見込まれており、競争力を持つ地域社会を維持していくため、一人一人の個性や能力に応じた教育を実現することが求められています。  また、教育委員会が平成三十年に実施した家庭教育状況調査によりますと、約七割の保護者が家庭の教育力が低下していると考え、同じく約七割の保護者が家庭でのしつけ等の教育に不安があると答えているほか、核家族化や少子化の進行により地域におけるつながりが希薄化するなど、家庭や地域の教育力の低下などが課題となっています。  加えて、GIGAスクール構想の前倒しによる一人一台端末の実現などのICT教育の推進や、教員が担うべき業務の多様化や量の増加による教員の多忙化・長時間労働など、学校現場は様々な課題を抱えており、とりわけ教員の働き方改革は喫緊の課題である一方で、本当に頑張っている教員が報われる環境づくりや雰囲気の醸成もまた重要であると考えます。  そこで、香川の未来を支える人づくりについて、どのようなお考えをお持ちなのか、それを実現するために教育施策をどのように推進していくのか、知事にお伺いいたします。  また、教育施策を進めていく上で、児童・生徒と一番身近で接し、その育成にとりわけ大きな役割を果たす教職員をめぐる課題にどのように取り組むのか、教育長にお伺いいたします。  最後に、質問の第十二点は、県民の安全・安心の確保についてであります。  冒頭にも申し上げましたように、七月八日に街頭演説中の安倍元総理が凶弾に倒れるという世を震撼させる事件が起こりました。暴力で言論を封じる今回の蛮行は、まさにテロ行為であり、断じて許されるものではありません。総理大臣等の要人が襲われる事件は戦前から繰り返し発生しており、そのたびに警護・警備の在り方や銃器の管理体制などが問題となり、見直しが行われてきましたが、またしても卑劣な蛮行を防ぐことができませんでした。  多くの人が集まる大規模行事やイベント会場等は、テロ行為の標的となりやすいソフトターゲットと呼ばれる場所の一つとされています。特に選挙時の街頭演説では、有権者と触れ合おうと候補者や応援演説者が聴衆に近づいていくことが多く、また、選挙情勢に応じて演説場所が直前に決まったり、演説者の知名度によっては想定より多くの人が集まり、警備がより難しくなることは多々あることと承知しています。  また、今回の事件に関して、SNSの一部では、要人襲撃という蛮行に及んだ犯人に同情や共感を示す声がありますが、こうした風潮は犯罪者を英雄視し、模倣犯など新たな脅威を生む可能性があり、大変危険なものと考えています。  テロ等の違法行為を未然に防ぐには、警察による取組だけではなく、関係機関や民間事業者、地域住民等との緊密な連携が重要であります。県警察においては、平成三十年十月に、行政機関をはじめ、電力や交通機関など重要インフラ関連事業者等が加入するテロ対策パートナーシップかがわを設立し、最新のテロ情勢についての情報共有や、関係機関との合同によるテロ対策広報啓発活動を実施したほか、各種イベントにおける広報や警戒・警備活動、民間事業者等における講演やテロ対処訓練等を実施してきたと聞いておりますが、今後も官民一体となった対策を推進するなど、社会の安全が揺るがないよう、万全のテロ対策を講じなければなりません。  国内では来年以降、海外の要人が集まるイベントが控えています。二〇二三年五月には広島市でG7サミットが予定されており、これに関して本県では高松市で都市大臣会合が開催されるほか、二〇二五年の大阪・関西万博には半年間で約二千八百二十万人の来場者が見込まれ、本県にも国内外から多くの観光客が訪れると予想される中、コンベンションやイベントの安全確保に関して警察に期待するところは大きいものがあります。  そこで、今回のような事件が二度と起こらないよう、テロ等違法行為の発生を未然に防止し、県民の安全・安心を確保するため、県警察として、今後、要人の警護・警備をはじめ、どのように取り組んでいくのか、県警本部長にお伺いし、私の自由民主党香川県政会を代表しての質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁を求めます。  池田知事。    (知事池田豊人君登壇) ◯知事(池田豊人君)自由民主党香川県政会代表谷久議員の御質問にお答えいたします。  まずは、私の県政運営についての御質問がございました。  人口減少と少子化・超高齢化社会の進行に加えまして、世界的規模での経済活動の変質や新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした人々の価値観の変容、激甚化する風水害や巨大地震の発生確率の高まり、AI技術などの急速な進展など、現在、私たちを取り巻く社会経済環境は大きく変化をしております。一方で、私たちは、生涯において長く活躍することができる人生百年時代を迎えております。  このような状況の下、本県は穏やかな気候と美しい瀬戸内海や緑あふれる県土に恵まれるとともに、道路や空港、港湾などの産業基盤や都市機能も整備されており、今後さらに発展していくための潜在力は、全国のどの地域にも劣らないと考えております。私は、こうした潜在力をさらに高め、最大限に生かす取組を推進して、県民生活と郷土の発展に取り組んでまいりたいと考えております。県民の皆様全てが生涯のあらゆる段階で活躍し、人生の豊かさと幸せを実感しながら安心して暮らすことができる地域社会を全国に先駆けて実現し、香川県を「人生100年時代のフロンティア県」にするため力を尽くしてまいる所存であります。このため、次の三つの柱を中心として県政運営に取り組んでまいります。  その第一の柱は、子育て環境や教育環境、医療・介護・福祉サービス、防災・減災や防犯、交通事故対策などの充実により、安全・安心で住みたくなる香川を目指す「県民100万人計画」であります。  また、第二の柱は、デジタル技術も活用しながら起業の促進や成長産業の育成、企業誘致、農林水産業の振興、港湾・空港機能の強化や広域道路ネットワークの整備などにより、経済発展に向けた活力に満ち挑戦できる香川を目指す「デジタル田園都市100計画」であります。  そして、第三の柱は、観光や文化・芸術・スポーツの振興、美しく快適な都市空間の整備などにより、多くの人が行き交い、訪れたくなる香川を目指す「にぎわい100計画」であります。  これらの施策の推進に当たりましては、今後、県議会をはじめ、県民各界各層の方々の様々な御意見を拝聴しながら検討を進めていく必要があると考えておりますが、その際、改めて、現在の香川づくりの基本指針であります「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画及び本県の地方創生実現のための施策を取りまとめたかがわ創生総合戦略等との関係を整理する必要もあると考えております。既存施策の点検を行いつつ、県政の継続性にも配慮しながら施策体系を整理いたしました上で、来年度当初予算案を御提案いたします来年二月定例会を目途に、新たな施策全体の骨子案を示したいと考えております。  次に、財政運営の基本的な考え方と来年度の予算編成基本方針についての御質問がございました。  本県におきましては、持続可能な財政構造への転換を図るため、これまで累次にわたる財政運営の指針に沿いまして、毎年度生じる財源不足に的確に対応した財政健全化の取組を行い、収支均衡を図ることはもとより、県債残高の減少や財源対策用基金の取崩しの抑制を図るなど、計画的な財政運営に努めてきたところでございます。
     新型コロナウイルス感染症への対応や不安定な国際情勢が続く中で、社会経済情勢の変化によっては、今後、財源への影響が懸念されます。また、国の債務残高が累増している状況を踏まえれば、地方財政措置の状況にも留意していく必要があります。また、実質的な一般財源総額が伸び悩む中、少子高齢化の進行による社会保障関係経費の累増や金利上昇による公債費の増加、また、老朽化した施設の修繕・更新なども予定されております。さらに、喫緊の課題であります新型コロナウイルス感染症対策や原油・物価高騰対策をはじめ、防災・減災対策、人口減少対策や地域活性化の取組など、県政の諸課題が山積をしております。このような中におきまして、引き続き財政健全化の取組を進め、財政規律の確保に留意して、計画的で持続可能な財政運営を行っていく必要があると考えております。  一方、山積する諸課題に着実に対応しつつ、香川の将来を見通し、その発展を実現していくための各種施策についても積極的に取り組んでまいる所存であります。そのために必要な財政支出につきましては、適切に対応してまいりたいと考えております。  そして、こうした考えの下、知事就任後初めてとなる令和五年度当初予算編成に当たりましては、まずは新型コロナウイルス感染症対策、原油・物価高騰対策などの喫緊の課題に万全を期すとともに、私自身、改めてこれまでの財政状況や財政健全化の取組の内容、既存の施策や事業を総点検した上で、今後の財政見通しを的確に把握して、香川の発展に向けた施策について再構築をして、予算を編成してまいりたいと考えております。  このように財政の持続可能性を確保しつつ香川の発展を目指す新たな取組により、県内経済の着実な成長を図るとともに、県民生活の豊かさをもたらし、それが税収増につながる、言わば経済と財政の好循環を生み出し、香川の未来を次の世代につなげていく第一歩となる予算を編成してまいりたいと考えております。  次に、新型コロナウイルス感染症などに関する今後の取組についての御質問がございました。  現在、新規感染者数は先月中旬と比較しても大きく減少し、医療の逼迫具合においても一定の改善が見られましたので、昨日をもちましてBA.5対策強化宣言を終了したところでございます。  国においては、高齢者や重症化リスクのある方に対する適切な医療の提供を中心とする考え方に今後転換するということで、新型コロナウイルスへの対応と社会経済活動の両立をより強固なものとするウィズコロナに向けた新たな段階に移行することとして、再度大規模な感染拡大が生じることも想定して、国民一人一人の自主的な感染予防対策の徹底をお願いするとともに、保健医療体制の強化・重点化を進めていくとのことでございます。  オミクロン株については、若年者の重症化リスクは低く、大部分の人は感染しても軽症で入院することはなく、一方で、高齢者の重症者リスクは高いといった特性を踏まえまして、全国一律で療養の考え方を転換し、全数届出の見直しが行われることとなり、本県においても本日から、従来の健康相談コールセンターに陽性者登録に関する御案内や、休日・夜間における病状急変時の医師相談の機能を追加して運用することを開始したところでございまして、発生届の対象外となる若い軽症者などの方が安心して自宅療養ができるよう、鋭意努めてまいりたいと考えております。  また、ワクチン接種につきましては、オミクロン株対応ワクチンの接種が県内でも先週から開始されておりまして、初回接種を終了した十二歳以上の全ての方への接種が今年中に可能となるように、各市町、医療機関、関係団体などと緊密な連携の下、接種を進めてまいりたいと考えております。さらに、若年層の接種率が低い状況を踏まえまして、ホームページや新聞広告などでの広報のほか、SNSなどの各種広報媒体を活用してワクチンの効果や安全性などについて周知啓発を行い、感染拡大の抑制を図ってまいります。  こうした新型コロナウイルス感染症への対応が二年余りに及ぶ中、昨年後半からはエネルギー価格や資材・原材料から食料品に至るまで様々な物価の高騰が重なりまして、社会経済活動や県民生活の回復に向けた大きな足かせとなってきております。このため、まずは今年六月の補正予算として御議決いただきました物価高騰対策の速やかな執行を図ることにより、その効果の早期発現に努めているところでございます。また、今定例会におきましては、物価高騰などを乗り越える事業者を応援する総合補助金の増額に係る補正予算議案を追加提案し、先議いただきましたほか、県民生活への支援や地域経済の回復・活性化などを図るための追加の物価高騰対策などを内容とする補正予算議案を御提案しているところでございます。  今後とも、県内経済などの状況や県民の皆様の状況、事業者の皆様が直面する課題などを的確に把握するとともに、今般新たに創設され、本県には三十四億三千五百万円余の交付が予定されている電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金も有効に活用しながら、国や市町など他の支援機関と緊密な連携の下、機動的な対策を講じることで、感染拡大の抑制と物価高騰の中での社会経済活動の両立を図ってまいりたいと考えております。  次は、これからの県庁づくりについての御質問に対するお答えでございます。  本県では、平成七年度以降、行財政改革の基本的な方針を六次にわたって策定し、効果的で効率的な行政組織、財政運営を実現し、組織の力を最大限発揮できるよう、積極的に行財政改革に取り組んできたところでございます。  県政運営に当たりまして、私としましては三つのポイントがあると考えております。  一つ目は、挑戦ということでございます。様々な課題に積極的かつスピード感を持って挑戦するために、職員には、一人一人が自ら考え、失敗を恐れず行動していく、まずは動いてみて走りながら調整をしていくという意識の醸成を図っていく必要があると考えております。  二つ目は、現場主義であります。県民の皆様や事業者の方々の困り事に対しまして、何もできないということではなく、何ができるのかということを常に考えながら施策を実施していくことが重要であります。そのためには、現場に足を運び、現場の声を積極的に聴くことや、データにより実態を分析することなどが必要であり、このように事実に基づいた行政ニーズを把握することで、現実的で具体的な政策立案を行ってまいりたいと考えております。  三つ目は、連携ということであります。地域課題の解決は県庁だけで担えるものではございません。「One Step Together!」、私が常に使っている合い言葉でございますけれども、これを合い言葉に、県民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、国、市町、事業者などとの適切な役割分担の下、関係者の皆様とともに各種施策を進めてまいりたいと考えております。  また、全ての職員が家庭や地域で充実した生活を送りながら意欲を持って職務に取り組んでいくことができるように、ワーク・ライフ・バランスを推進するとともに、業務の見直しやデジタル技術の活用による業務の効率化を図りまして、目配り、気配り、思いやりの気持ちをもって、風通しのよい職場環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。  私としましては、挑戦、現場主義、連携、この三つのポイントを踏まえるとともに、職員のワーク・ライフ・バランスなどにも留意しながら、県民の皆様に質の高いサービスが提供できるよう県政運営に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、防災・減災対策についての御質問がございました。  昨今、激甚化・頻発化する風水害や、今後三十年以内の発生確率が七〇%から八〇%と言われる南海トラフ地震など、本県においても大規模災害がいつ発生してもおかしくない状況にある中、防災・減災対策は重要な取組であると考えております。  このようなことから、現在、県では、集中的に実施する必要がある対策を具体的にまとめました香川県南海トラフ地震・津波対策行動計画、これに基づきまして、河川・海岸堤防の地震・津波対策及びため池の整備、消防団や自主防災組織の機能強化、県民の皆様の防災意識の向上など、ハード、ソフト両面からの対策を進めており、これまでの取組の効果を生かすためにも、これを引き続き着実に進めていく必要があると考えております。  また、防災・減災対策を進めるに当たりましては、大規模災害が発生した際、本県は四国の防災拠点としての機能を果たす役割もあると考えております。このことから、議員御指摘の高松環状道路などの高規格道路につきましては、災害時における緊急輸送路として指定されております高松空港や高松港と高松自動車道との連結に向けた整備を行うとともに、災害廃棄物につきましては迅速かつ適切な処理が行えるよう、各市町と連携しまして仮置場の確保や広域的な処理の調整を行うなど、本県の機能の維持や早期回復につながるものとして取組を進めてまいりたいと考えております。  加えて、災害による被害を最小限に抑えるためには県民一人一人の意識に負うところが大きく、東日本大震災から十年以上が経過をして、災害に対する意識の希薄化が指摘される中、改めて防災・減災対策の重要性や必要性について、県民の皆様の意識の醸成を図ることが重要であると考えております。  こうした考えの下で、南海トラフ地震をはじめとする大規模災害から県民の皆様の生命や財産を守ることができるよう、各市町や防災関係機関などとも緊密に連携を図るとともに、国に対しては必要な要望も行いまして、今後の防災・減災対策に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  次に、脱炭素・地球温暖化対策についての御質問がございました。  地球温暖化の進行に伴いまして、近年、国内外で深刻な気象災害が多発化しております。今後、気候変動の影響によるリスクがさらに高まることが予測される中、地球温暖化防止に向けた取組は喫緊の課題であると考えております。  地球温暖化対策は、国のエネルギー政策や革新的な技術開発に負うところが大きく、国を挙げて取り組む課題ではございますけれども、一方で地域でできることについてはしっかりと取り組んでいくことが重要でありまして、昨年十月に策定しました香川県地球温暖化対策推進計画に基づきまして、地域における地球温暖化対策を計画的に進めているところでございます。  具体的な取組といたしましては、今年度、地球温暖化対策予算として六億二千万円余を計上しまして、事業者の省エネ対策や再エネ導入などの取組を支援するゼロカーボン企業相談窓口の設置、住宅用太陽光発電設備やネット・ゼロ・エネルギー・ハウスなどに対する支援、農業分野における水田からのメタンガス排出削減などの技術実証、県環境保健研究センターにおける施設全体の省エネ化を目的とした設備更新型ESCO(エスコ)の導入に向けた検討など、これらを全庁を挙げて様々な事業を実施しているところでございます。  さらに、地球温暖化対策は、県民、事業者、行政が一体となって総ぐるみで知恵を出し合い、地球温暖化を自分事と捉えて取組を進めていくことが重要と考えております。このため、県や市町、関係団体等で構成する香川県地域脱炭素推進協議会におきまして、本県における地球温暖化対策の中長期的な工程表を策定するべく、現在、検討を重ねているところであります。この工程表の中では、二〇三〇年度の温室効果ガス排出量を二〇一三年度比で四六%削減することを目指し、今後五年間の各主体の具体的な取組を示すとともに、県内のエネルギー消費の現状と課題も踏まえつつ、重点的に取り組むべき内容などの検討を進め、年内には取りまとめていきたいと考えております。  なお、議員から御指摘のありました経済成長への影響につきましては、十分に注視しながら、経済活動との調和が図られるような計画策定に取り組んでまいりたいと考えております。  今後は、香川県地球温暖化対策推進計画や工程表に基づきまして、国や各市町との連携を十分に図り、県民の皆様や事業者の方々の御理解と御協力を得ながら、脱炭素・地球温暖化対策を積極的に進めてまいります。  次に、子ども政策について御質問がございました。  本県の出生数は減少傾向にございまして、厚生労働省の令和三年人口動態統計では、本県の合計特殊出生率は一・五一と人口を維持する水準とされる二・〇七を大きく割り込んでおり、議員御指摘のとおり少子化が進行している状況にございます。少子化の要因としては、非婚化や晩婚化、また、夫婦の出生子供数の減少などが考えられます。  まずは、県が平成二十八年十月に開設いたしました、結婚を希望する男女の出会い・結婚をサポートするかがわ縁結び支援センターの積極的な活用を図ってまいりたいと思います。現在の登録会員数は約千名でございますけれども、今後、さらに多くの会員登録していただけるように進めてまいります。また、成婚につながる支援の工夫や充実にも努めてまいります。  あわせて、若い世代が早い段階から結婚・妊娠・出産・子育てを含む将来の人生設計を正しい知識に基づき考え、結婚や子育てのすばらしさや喜びを知ることができる機会の創出にも取り組んでまいりたいと思います。  また、晩婚化によります出産年齢の高年齢化の進行などに伴い、不妊・不育症相談センターへの相談も近年増加傾向にありますことから、よりきめ細かな相談体制を整えるとともに、子供を持ちたいと望む方が安心して不妊治療に取り組める環境づくりの検討を進めるほか、ハイリスクな分娩の増加にも対応できる周産期医療体制の確保・充実に努めてまいります。  子育て支援につきましては、妊娠や出産・子育てに関する不安や悩みの相談に的確に応えられるよう、市町の母子保健事業や子育て相談窓口の周知・明確化を支援するなど、相談体制の充実・強化を図ってまいりたいと思います。  また、共働き世帯の増加などに伴い、仕事と子育ての両立を支えるための保育ニーズが高まる中、待機児童数は本年四月一日現在で十九人と減少傾向にありますけれども、今後は、なお発生が残る地域の保育所などにおける保育人材の確保・育成に努め、待機児童の早期解消の実現を図ってまいりたいと考えております。  加えて、多様化する子育て家庭のニーズに対応するため、保護者の就労・在宅を問わず、一時預かりや病児保育など、子育て家庭が必要なときに必要なサービスを受け、安心して子育てができる環境づくりに努めてまいりたいと思います。  このように、誰もが結婚や出産の希望をかなえ、安心して子育てができるための施策を総合的に推進していくとともに、社会全体で結婚や子育てを応援する機運を高めることで、少子化の流れを変えたいと思います。子育てしやすい香川県、そして住みたくなる香川県の実現を目指してまいります。  次に、県内産業の活性化についての御質問がございました。  生産年齢人口の減少に伴う人材不足やコロナ禍における原油価格・物価高騰など、県内企業を取り巻く状況は依然として厳しいものでございます。県内産業の活性化を図るためには、スタートアップへの支援や経済を支えていただいています県内企業を強化するとともに、戦略的な企業誘致にも取り組むことが重要であると考えております。  まず、スタートアップへの支援についてでございます。創業の初期段階における経費の補助やビジネスプランの策定支援から創業後のフォローアップまで切れ目のない支援を行う創業支援塾の開催に加えまして、サンポート高松に設置したSetouchi─i─Base(セトウチ・アイ・ベース)に起業経験者であるコーディネーターを配置し、創業、第二創業などにつなげられるよう、各種の相談やビジネスマッチングの支援などに取り組みます。そのほか、起業を目指す若者などによるビジネスモデルコンテストの開催なども行っており、今後、より一層スタートアップの創出に向けた環境の整備や支援の強化に取り組んでまいります。  また、経済を支えていただいております県内企業を強化するために、県の産業技術センターにおいて、溶接や機械加工などの技術の高度化や高付加価値の商品開発、こういったものを支援をいたしますとともに、かがわ産業支援財団と連携しまして、県内企業と県外大手企業との展示商談会を開催するなど、国内外の販路開拓を支援してきたところでございます。  今後は、本県の特色でありますものづくり基盤技術産業と食品産業の集積を生かしまして、企業の課題解決に向けた研究会や技術講習会の開催などの取組も積極的に進めてまいりたいと思います。加えまして、IoTをはじめとしたデジタル化を推進しようとする中小企業に対しまして、専門家によるきめ細かな個別コンサルティング支援を実施しているほか、先端技術の活用に意欲的な企業に対しましては、産業技術総合研究所と連携をいたしましてAI技術などの研究開発を支援するなど、県内企業の一層の競争力強化を図ってまいります。  さらに、企業誘致の取組につきましては、近年の企業の海外生産拠点の国内回帰の動きや地方での拠点整備の機運の高まりを好機と捉えまして、今後、本県経済に活力を与える魅力のある企業の立地をより一層促進していく必要があると考えております。このために、企業誘致の基盤となります用地の確保に取り組むとともに、交通網や優れた立地環境をパッケージとして推進いたします。また、各市町や金融機関、不動産事業者等とも連携しまして、企業が求める人材の確保や各種行政手続のワンストップサービスの一層の充実などを図りまして、地域経済の発展につながる戦略的な企業誘致を進めてまいりたいと思います。また、私自身が企業のトップにお会いして、本県への立地についても働きかけていきたいと考えております。  次に、高松空港の国際航空ネットワークと外国人観光客の誘致についての御質問がございました。  本県では、これまで県議会をはじめ、県内市町並びに関係団体などの御協力と御理解をいただきまして、国際航空ネットワークの拡充と外国人観光客の誘客促進に努めてまいりました結果、令和元年には四路線、週二十三往復の運航実現とともに、外国人延べ宿泊者数が平成二十四年から令和元年までに十七・九倍と、全国一位の伸び率になるなど、大きな成果を上げてまいりました。しかしながら、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴いまして各国・地域間の自由な往来の制限がございまして、現在、全ての国際線は運休が継続をされております。現時点では具体的な運航再開の見通しは立っておりません。  高松空港内の感染防止対策や検疫体制などにつきましては、他の地方空港に先駆けまして国際線の受入れ体制が整備をされております。現在、この優位性を最大限に活用すべく、各航空会社に対しまして継続的に早期の運航再開などを働きかけるなど、県としてできる限りの対応に努めております。また、一部の航空会社からは、チャーター便の運航を含め、運航再開を検討中というお話も伺っております。私も、直接運航再開に向けまして働きかけを行ってまいりたいと考えております。  また、新規国際線の路線誘致につきましても、地元自治体や経済団体などの十一団体で構成します高松空港エアライン誘致等協議会におけるこれまでの検討の中で、タイやシンガポールなども有望な就航候補先として挙がってきております。今後、高松空港株式会社と連携して、東南アジアとの路線誘致につきましても検討してまいりたいと考えております。  高松空港国際線再開後のできる限り早期の需要回復につきましては、水際対策の緩和を注視しながら、就航先の旅行会社に対しまして本県へのツアー造成の働きかけを強めるとともに、現地旅行博への出展や観光セミナーの開催により、瀬戸内海の多島美をはじめとする本県の魅力を広く発信してまいります。また、個人旅行を嗜好する消費者に向けまして、現地のインフルエンサーを活用したSNSでの情報発信の強化や県内観光事業者の受入れ対応力の強化にも取り組んでまいりたいと考えております。  次に、農業振興についての御質問がございました。  農業者の減少や高齢化、狭小な農地や特殊な水利慣行など、特有な営農環境にある本県の農業経営は厳しい状況にあると考えておりますが、一方で農地の効率的な利用や農産物の高付加価値化を図り、アスパラガスやイチゴ、キウイフルーツ、オリーブ畜産物など、全国に誇れる高品質で魅力ある農産物を生産しておりまして、これらは本県農業を維持・発展する上で大きな強みになると考えております。  こうした中、昨今の厳しい国際情勢や急速な円安の進行などを背景にしました食料の輸入依存によるリスクが顕在化しておりまして、食料安全保障の確立が急務になっております。また、これをチャンスとして、高品質で特色ある県産の農産物を安定的に供給できるよう、これまで以上に生産拡大と品質向上を図るとともに、生産を後押しする需要拡大にも積極的に取り組む必要があると認識をしております。  このため、生産拡大につきましては、米や麦の規模拡大に対する生産者への助成や小麦作付の団地化の推進に取り組むほか、園芸作物の安定生産を図るための機械施設の導入支援や、オリーブ畜産物の生産拡大を図るための畜舎などの整備支援などを行ってまいります。  品質向上につきましては、農業試験場における、生産者や消費者のニーズも踏まえた新品種の育成や新たな生産技術の開発などにより、売れる農産物づくりに取り組んでまいります。  販路拡大につきましては、県産農産物の認知度を高め、消費者から積極的に選択してもらえるよう、県産の高品質な果樹・野菜・花卉を束ねてさぬき讃シリーズとして打ち出すなど、戦略的な販売促進や情報発信を行ってまいります。また、市場の拡大している海外に目を向けまして海外販路の拡大に取り組むとともに、輸出用の盆栽やイチゴの生産などに見られるよう、輸出を前提とした産地の育成を図ることなどによりまして、需要の拡大がさらなる生産振興につながるよう努めてまいります。  さらに、こうした取組を進めていくためには、担い手や優良農地の確保など、その土台となる生産基盤の強化が重要であります。このことから、農業改良普及センターによる就農相談や技術指導を通じまして、新規就農者や、市町長から経営改善計画の認定を受けました認定農業者、さらに兼業農家や定年帰農者、半農半Xなども含めました多様な担い手の確保・育成に努めてまいります。また、農地中間管理事業を活用した農地の集積・集約化や地域のニーズに応じた圃場などの基盤整備、さらにはスマート農業技術の普及などにより、省力化や生産性の向上にも取り組んでまいります。  このように、昨年十月に策定しました香川県農業・農村基本計画に基づきまして総合的かつ戦略的に施策を進めることにより、本県農業の強みを生かしながら、持続的な発展につなげてまいりたいと思います。  次に、社会資本の整備についての御質問がございました。  私は、県政の役割につきまして、県民の安全な暮らしを守ることと香川県の経済を発展させること、この二つが中心であると考えておりまして、社会資本の整備につきましても、この二つの目的に沿って着実に進めることが必要だと思っております。  このうち、県民の安全な暮らしを守ることにつきましては、まず南海トラフ地震に対する海岸堤防などの対策としまして、平成二十七年三月に香川県地震・津波対策海岸堤防等整備計画を策定しまして、優先度の高い箇所から重点的・集中的に進めておりまして、令和六年度までの十年間で約四十七キロメートルの整備をすることにしております。昨年度までに七割強の約三十四キロメートルの整備が完了しておりまして、引き続き整備を急いでまいりたいと思います。  また、昨年八月には香川県流域治水プロジェクトを策定し、河川改修、砂防施設やダムの整備などの流域治水対策を計画的に推進しております。  また、公共土木施設の老朽化に対しては、施設ごとの長寿命化計画に沿いまして、計画的な対策に取り組んでおります。特に橋梁の老朽化対策につきましては、県が管理する全ての橋梁千四百七十六橋につきましての点検を五年ごとに行っておりまして、緊急に措置を講ずべき状態の橋梁はございませんが、早期に措置を講ずべき状態の橋梁は百八十四橋ございまして、そのうち昨年度末までに百二十橋の対策が完了しまして、残る六十四橋についても対策に着手しておりますが、早期の完成を目指してまいりたいと思います。  今後も、これらの取組のより一層の加速化を図り、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の予算などを活用して、強靱な県土づくりを推進してまいります。  香川県の経済を発展させることについての社会資本整備でございますけれども、これは交通や物流の活性化・円滑化を担います幹線道路や港湾の整備などに着実に取り組んでいく必要があると考えております。  現在、高松自動車道と高松空港を結ぶ空港連絡道路や、さぬき浜街道の一部であります県道高松坂出線の四車線化整備などを推進いたしております。また、直轄国道の整備促進や、高速道路と市街地を連絡する高松環状道路の高松市檀紙町からサンポート高松付近までの区間の早期事業化につきまして、国に働きかけを行っております。高松港におきましては、国際物流ターミナルや複合一貫輸送ターミナル、しゅんせつ土砂の海面処分場の整備などに取り組んでいるところでございます。  しかしながら、国道十一号や高速道路と市街地を結ぶ幹線道路の渋滞、沿岸部などにおいて物流を担う道路のボトルネックの対策、高松港の岸壁水深の確保をはじめとする物流機能の強化など、社会資本に関係する課題についてはまだまだ十分に対応できていないというふうに考えております。今後は、幹線道路や港湾につきまして、新たな整備計画を策定し、着実にその整備を進めてまいりたいと考えております。  さらに、広域的な人流を四国に誘致するなどに寄与する四国新幹線の実現に向けて、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  また、サンポート高松地区につきましては、新県立体育館などの新たな施設整備に併せまして、地区全体としてにぎわいがある一大プロムナードになるよう、歩行者が安全で快適に歩ける空間づくりを進めてまいりたいと思います。  今後、地域の実情や県民のニーズを十分に踏まえまして、県議会と連携し、国に対して積極的な要望を行いながら、切れ目のない着実な事業を実施できるように予算確保に努め、必要な社会資本の整備に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次は、県立病院の経営についてであります。  県立病院につきましては、病院事業管理者の下、議員御指摘の第四次県立病院中期経営目標に掲げた経営方針に沿いまして経営改善に取り組んでいるところでございます。県立病院の経営状況につきましては、新型コロナウイルス感染症の重点医療機関であります中央病院をはじめ、三病院ともに新型コロナウイルス感染症患者の受入れなどの対応を行いながら、中央病院を中心に高度医療の提供を積極的に行った結果、令和三年度決算では、循環器疾患を中心とする診療単価の高い入院患者の確保が図られたことなどにより、医業収益はコロナ前の令和元年度の水準以上に回復をしております。しかしながら、今回の黒字につきましては新型コロナウイルス感染症に係る補助金の収入によるところが大きく、また、コロナが収束しても患者の受療行動の変容といった影響が将来にわたって残ることも考えられることから、経営環境は楽観視できない状況であり、一層の経営改善が求められていると認識をしております。  このため、県立病院事業におきましては、中央病院では、引き続き循環器治療やがん治療などにおける高度医療の提供や救急患者の受入れの推進、新たな施設基準の取得などに積極的に取り組むほか、白鳥病院では、高齢化が進む地域のニーズを踏まえ、地域包括ケア病床の一層の充実を図ってまいります。また、丸亀病院につきましては、病床稼働率が低い状態が続いておりまして、老朽化も進んでおりますので、将来の精神医療の需要も見据えた役割や機能、県内の精神医療上の課題への対応などの観点から、今後の在り方について検討を進めるなど、経営改善の取組を進めてまいりたいと思います。  また、議員御指摘のとおり、県立病院は第一種感染症指定医療機関や基幹災害拠点病院など各種の指定医療機関となっておりまして、引き続きこうした感染症医療や災害時の医療、救急医療、僻地医療など、民間では対応が困難な政策医療につきまして、現在担っている役割をしっかりと果たせるように今後も取り組んでまいりたいと考えております。  県といたしましては、今後とも県民の皆様により質の高い医療を安定的、持続的に提供できるように、病院事業管理者の下、県立病院の経営改善に取り組み、経営基盤の強化を図ってまいります。  最後に、香川を支える人づくりについての御質問がございました。  現在、我が国では、技術革新やグローバル化の一層の進展、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大、こういったことにより、これまで以上に予測困難な時代を迎えております。加えて、本県では、少子化や若者の県外への流出などに伴い、地域活力の低下も懸念をされているところでございます。  議員御指摘のとおり、本県の教育を取り巻く環境は、家庭や地域の教育力の低下、ICTの活用、教員の多忙化・長時間労働などの課題を抱えている状況でございます。しかし、このような厳しい状況下においても、教育は発展のベースになるものでございまして、生涯にわたり可能性に挑戦する意欲と能力を持ったたくましい人づくりを、学校、家庭、地域をはじめ県全体で連携・協力しながら進めていく必要があると考えております。そして、香川の未来を守り発展させていくためには、郷土香川を愛し、郷土を支える人づくりを進めていくことが重要であると考えております。  このような考えの下、家庭や地域の教育力の低下につきましては、地域の方々に学校運営に参画いただくコミュニティ・スクールの充実や、教育委員会が養成した家庭教育推進専門員の派遣を通じまして保護者の学びの機会の提供などにより、教育委員会と緊密に連携し、その課題の解決を図ってまいります。  ICT教育の推進につきましては、小・中学校で整備された一人一台端末、これを効果的に活用すること、また、それに必要な教員の指導力向上のための研修の充実などを行ってまいりたいと思います。  また、教員の方の多忙化・長時間労働につきましては、教員の負担軽減を図るため、教員が担う校務を支援するスクールサポートスタッフなどの多様な人材の活用により、教育委員会との連携の下、これらの課題の解決を図ってまいりたいと思います。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)自由民主党香川県政会代表谷久議員の香川を支える人づくりについての御質問にお答えいたします。  教職員を取り巻く環境は、議員御指摘のとおり、業務の多様化や量の増加による多忙化・長時間労働や、ICTの活用をはじめとする最近の教育課題への対応など、様々な課題を抱えている状況です。中でも、教職員の多忙化・長時間労働の解消は、その心身の健康の維持・増進はもとより、質の高い教育活動を行うためにも喫緊の課題であると考えており、平成三十年に教職員の働き方改革プランを策定して以降、重点的に取り組んでいるところです。  教育委員会では、これまで小・中学校における三十五人学級の実施と小学校高学年における教科担任制の拡充、活動時間の上限の設定を明記した部活動ガイドラインの策定のほか、教員研修のオンライン化、年次有給休暇の付与時期の見直しなどに取り組んできたほか、部活動指導員やスクールサポートスタッフの充実に努めてきたところです。  今後も、こうした取組に加え、部活動の地域移行などの部活動改革についても、市町教育委員会と連携を図りながら進めてまいります。また、教職員の頑張りが報われ、やりがいを持って働くことができるよう、人事管理制度の適切な運用や、表彰制度では多様な観点から評価を行うほか、教職員の活動を広く県民の皆様に紹介し、理解や支援がより一層得られるよう努めてまいります。  教職員の知識・技能の向上については、教育センターでの専門的な研修の充実を図るほか、ICT活用の推進や特別支援教育の充実などの新たな観点を加味し、平成二十九年に策定した香川県教員等人材育成方針の見直しを行いたいと考えています。  県教育委員会といたしましては、働き方改革の推進により教員が児童・生徒に向き合う時間を増やすとともに、研修の充実により教職員の能力向上を図るなど、子供たちの教育環境を充実させることで、香川の未来を支える人づくりを進めてまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)今井警察本部長。    (警察本部長今井宗雄君登壇) ◯警察本部長(今井宗雄君)自由民主党香川県政会代表谷久議員の県民の安全・安心の確保についての御質問にお答えいたします。  安倍元総理が銃撃を受け、亡くなられるという重大な結果を受け、改めて警護の重要性と警察に課せられた責任の重さを痛感しているところであります。今回の事件を受け、警察庁において検証及び警護の見直しが行われ、警護の各段階における警察庁の関与の強化等の仕組みを導入した新たな警護要則が制定されたところでございます。  県警察といたしましては、警護に関して警察が置かれている極めて厳しい情勢を認識し、新たな警護要則等に基づき、警察庁と連携を密にして、警護の強化に向けた対策を迅速かつ確実に推進してまいりたいと考えております。  また、今回のような要人襲撃事件に限らず、広くテロを未然に防止するためには、議員御指摘のとおり、県警察による取組のみでは十分ではなく、関係機関・団体をはじめ、民間事業者や県民の皆様と連携を緊密にしてテロ対策を推進していくことが不可欠であります。  そこで、県警察では、議員御指摘のテロ対策パートナーシップかがわの枠組みを活用し、テロ等に関する情報の共有、危機管理意識の高揚、各種訓練や広報啓発活動等を実施し、社会全体のテロ対処能力の強化を図ってきたところでありますが、引き続き官民一体となった諸対策を強力に推進し、テロ対処能力の向上及びテロを許さない機運の醸成を図ってまいります。  さらに、不特定多数の者が集まる各種イベント会場や施設、公共交通機関等においては、制服警察官による巡回やパトカーの活用等による見せる警戒を実施するとともに、施設管理者等と連携した合同訓練等により自主警備の強化を働きかけるなどの各種対策を推進し、テロを許さない社会づくりへの取組を一層強化してまいります。  県警察といたしましては、今回の銃撃事件の発生を真摯に受け止め、来年本県で開催されるG7広島サミットに係る都市大臣会合も見据えた警備諸対策を着実に進めてまいりますとともに、警護の強化方策を着実に実施し、要人や行事の安全確保に万全を努めてまいる所存であります。(降壇)
    ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁は終わりました。  暫時休憩いたします。                         午前十一時五十七分休憩                         午後 一時  七分開議    ─────────────────────────────   出  席  議  員    高  城  宗  幸 君    新  田  耕  造 君    氏  家  寿  士 君    松  岡  里  佳 君    里  石  明  敏 君    城  本     宏 君    植  條  敬  介 君    鏡  原  慎一郎  君    秋  山  時  貞 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    山  本  悟  史 君    樫     昭  二 君    松  本  公  継 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    西  川  昭  吾 君    十  河     直 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    広  瀬  良  隆 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    斉  藤  勝  範 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    大  山  一  郎 君    都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君    石  川     豊 君   欠  席  議  員    な        し    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事    池  田  豊  人 君           副  知  事    西  原  義  一 君           病院事業管理者    太  田  吉  夫 君           審  議  監    大  山     智 君           政 策 部 長    淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長    椋  田  那津希  君           危機管理総局長    田  中  一  裕 君           環境森林部長     木  村  士  郎 君           健康福祉部長     三  好  謙  一 君           商工労働部長     寺  嶋  賢  治 君           交流推進部長     佐  藤  今日子  君           農政水産部長     新  池  伸  司 君           土 木 部 長    安  西     愼 君           文化芸術局長     小  川     剛 君           知事公室長      尾  崎  英  司 君           子ども政策推進局長  井  元  多  恵 君           会計管理者      小  川  秀  樹 君           病 院 局 長    岡  田  総  一 君           デジタル戦略総室長  井手下   慶  博 君           教  育  長    工  代  祐  司 君           公安委員会委員長   泉     雅  文 君           警察本部長      今  井  宗  雄 君           代表監査委員     木  下  典  幸 君           監査委員事務局長   田  井  慎  二 君           人事委員会委員    平  尾  敏  彦 君           人事委員会事務局長  森  岡  英  司 君           労働委員会事務局長  河  内  一  裕 君    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)再開いたします。  休憩前に引き続き、代表による質疑・質問を続行いたします。  自由民主党議員会代表香川芳文君。    (香川芳文君登壇、拍手) ◯香川芳文君 私は、ただいまから香川県議会自由民主党議員会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事、教育長並びに警察本部長に質問させていただきます。  質問の第一点は、知事の政治姿勢についてであります。  まず、このたびの知事選挙において見事当選されました池田知事、誠におめでとうございます。心からお喜びを申し上げます。池田新知事には、これまで培った行政経験を生かし、新鮮な構想と実行力で県民の思いに応える県政運営を進めていただきたいと思います。我が会派も、県民を代表して、これからの香川がいかにあるべきかを考え、知事と議論を交わし、積極的な提案を行いながら、新しい道を共に切り開いていきたいと期待している次第であります。  そこで、議論する上での出発点として、池田知事がどのような香川の姿を目指し、その実現に向け、どのような県政運営を行っていくのか、知事の基本的な考え方を明らかにしていただきたいと思います。  県政運営には継続性が求められる一方で、県勢をさらに発展させるためには、新たな視点や発想で新しい香川づくりにも取り組んでいく必要がありますが、知事の決意をお伺いいたします。  次に、県政運営を議論する上で避けて通れないのが財政運営の考え方であります。知事は選挙公約として「香川New100PLAN」を掲げ、「人生100年時代のフロンティア県」を目指して、子育て支援の充実や女性の再就労支援、農林水産資源の販路拡大、交通インフラの強化、観光誘客や瀬戸内海の魅力発信などのにぎわいの創出など、様々な取組を進めることを表明されております。また、本県は、喫緊の課題である新型コロナ対策や物価高騰対策、人口減少・活力向上対策、防災・減災対策などの重要な課題に加え、地球温暖化対策やデジタル化の推進など、新たな課題にも直面しております。一方、本県の財政状況は、昨年秋に示された新たな財政運営指針において、今後、多額の財源不足が見込まれているなど、決して楽観できる状況にはありません。  新しい香川づくりに向けて、必要な施策については着実に実施していただきたいと思いますが、そのためには、限られた財源の中でめり張りをつけて選択と集中を徹底し、持続可能な財政運営を進めていく必要があると考えます。  そこで、知事は、本県の財政状況をどのように認識し、今後の県政発展に向け、どのように持続可能な財政運営を進めていくお考えなのか、お伺いいたします。  質問の第二点は、求められる県職員像と人材育成についてであります。  本県では平成七年度以降、効果的で効率的な行政組織、財政運営を実現し、組織の力を最大限発揮できるよう行財政改革に取り組んでおり、平成二十二年度に二千八百人体制を実現するなど、行政運営の効率化を図ってきました。  そうした中、地域活性化のための取組や人口減少、少子高齢化への対応など、県が取り組まなければならない行政課題はますます高度化・複雑多様化しており、加えて全国的に頻発する自然災害や新型コロナウイルスの感染拡大、社会全体のデジタル化・オンライン化の加速など、社会情勢は大きく変化しております。  また、平成三十年の働き方改革関連法成立により、職員が心身の健康を維持し、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら職務に従事できる環境を整備することが求められているなど、県の職場を取り巻く環境も大きく変化しております。  さらに、本県では、職員の大量退職の時期を迎えていることに伴い、新たに職員を採用する必要がありますが、生産年齢人口が減少する中、優秀な人材の確保が難しくなるおそれがあります。  言うまでもなく、限られた人員の中で組織として最大限の力を発揮するためには、職員の資質・能力の向上への取組が不可欠であり、一人一人の職員が香川県職員として求められる職員像や能力はどのようなものであるかを意識して自己啓発に努めるとともに、目指す職員像に向かって組織として人材育成を進めていく必要があります。  そこで、高度化・複雑多様化する行政課題に対応するため、これからの職員にはどのような能力を求めるのか、また、そのような能力を身につけるため、どのように人材育成を行っていくお考えか、知事にお伺いいたします。  質問の第三点は、防災・減災対策についてであります。  西日本豪雨と言われた平成三十年七月豪雨や令和元年東日本台風による災害など、近年、全国各地で毎年のように大規模な風水害が発生し、多くの人命や財産が失われています。今年も先月、東北地方や北陸地方では前線や低気圧の影響により猛烈な雨を観測し、記録的短時間大雨情報や大雨特別警報が発表されたほか、行方不明者や重傷者などの人的被害、河川の氾濫や土砂崩れなどによる家屋被害や孤立集落の発生、停電、断水など大きな災害となりました。  また、地震に関しても、全国各地で比較的規模の大きな地震が続発しており、南海トラフ地震の発生確率も高まっている中、本県にとって防災・減災対策は最優先で取り組むべき重要課題の一つとなっています。  県では、これまで県有施設の耐震化や河川・海岸堤防の整備、県民の防災意識の向上、自主防災組織の機能強化など、ハード、ソフト両面から様々な防災・減災対策を進めていますが、こうした対策の効果が発揮され、少しでも被害を抑えるためには、自助、共助、公助の三つを一体として進めていく必要があると考えます。そして、そのためには、風水害や地震の教訓なども踏まえ、日頃から県、市町、防災関係機関、さらには県民等が適切な役割分担の下、緊密に連携・協力しながら備えを進めておく必要があり、また、こうした考え方をしっかりと共有していくことが重要であると考えます。  加えて、災害が発生した際には、知事は、被害を最小限に抑えるため、被害状況の把握や救助・救急、応急復旧活動などを的確に実施していけるよう、各市町をはじめ、警察、消防、自衛隊、ライフライン事業者など防災関係機関との連携体制をいち早く構築し、強いリーダーシップの下、災害対応に当たることが必要になると考えます。  そこで、本県においても大規模な風水害や地震などの自然災害の発生が懸念される中、防災・減災対策をどのように進めていくお考えか、知事にお伺いいたします。  質問の第四点は、豊島廃棄物等処理施設撤去等事業についてであります。  本事業については、国の公害等調整委員会による公害調停を経て、平成十二年六月に豊島住民との調停が成立してから、今年で二十二年目を迎えております。県では、これまで県と豊島住民双方が合意した調停条項に基づき、県政の最重要課題の一つとして、豊島からの廃棄物等の搬出・処理や地下水浄化対策など、全国的に前例がなく、非常に困難な状況の中、専門家の指導・助言の下、本事業に取り組んできたものと承知しております。この間、廃棄物等の撤去については、平成十五年九月から本格的に処理が開始され、平成二十九年には廃棄物等の搬出・処理が完了しました。さらに、平成三十年一月以降に新たに見つかった廃棄物についても令和元年七月に処理が完了し、地下水の浄化対策に取り組んだ結果、昨年七月には地下水の排水基準を達成しております。また、関連施設の撤去については、令和元年九月には直島側の施設撤去が全て完了するとともに、今年三月には豊島側の遮水壁や高度排水処理施設の撤去が完了しております。  浜田前知事は、去る二月県議会定例会の我が会派の代表質問において、環境基準の達成に向けた地下水浄化対策に取り組むとともに、国の財政支援が受けられる今年度末までに関連施設の撤去や処分地の整地を完了するよう、全力で取り組んでいくとの答弁をされております。今年度上半期においては、地下水の環境基準達成に向けて追加の浄化対策を実施するとともに、豊島専用桟橋等の残された施設の撤去に取り組むなど、着実に事業が進捗している状況であると認識しており、処分地を整地した後、豊島住民の方々に処分地を引き渡すまでは、来年四月以降も県が管理することになると聞いています。  そこで、国の財政支援の期限があと半年となっておりますが、関連施設の撤去や処分地の整地の完了に向け、どう取り組むのか、また、来年四月以降、処分地の引渡しまでどう取り組むのか、知事の決意をお伺いいたします。  質問の第五点は、医療提供体制の充実についてであります。  二〇二五年には団塊の世代が七十五歳以上になり、国民の三人に一人が六十五歳以上、五人に一人が七十五歳以上となることが見込まれています。さらに、家族形態についても、六十五歳以上の一人暮らしの割合は増加傾向にあり、二〇二五年には約二割になることが見込まれています。さらに、本県においては二〇四〇年の六十五歳以上の人口割合は三七%と、全国平均の三五・三%より早く高齢化が進む見込みとなっています。  このように急速な少子高齢化や社会構造の変化が進む中、慢性疾患や複数の疾患を抱える方、手術だけでなくその後のリハビリが必要となる方などが増加し、医療に対するニーズも多様化してきています。加えて、今般の新型コロナウイルスの感染拡大により、局所的な病床・医療人材の不足や医療機関の間での役割分担・連携体制の構築など、新たな課題にも直面しております。  このような医療ニーズの変化に限られた医療資源で対応するためには、地域の実情に応じた医療機能の分化と連携を進めるとともに、必要な取組が機動的に図られるよう、あらかじめ地域の行政や医療関係者との間で議論を進めるなど、高度急性期から在宅医療まで、患者の状態に応じた医療を提供できる体制の整備が重要であると考えます。  そこでまず、こうした地域医療を取り巻く背景を踏まえ、今後、本県における医療提供体制の充実に向け、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  また、医療提供体制の充実のためには、医師や看護師などの医療従事者の育成・確保が不可欠であります。本県における医療従事者の状況については、医療施設に従事している医師数が令和二年末現在で二千七百五十六人であり、人口十万人当たり二百九十・〇人と、全国平均の二百五十六・六人を上回っているものの、二次医療圏別に見ますと、小豆保健医療圏や東部保健医療圏の大川圏域、西部保健医療圏の三豊圏域では全国平均を下回っております。また、本県の看護師数は、同じく令和二年末現在で一万一千八百七十八人、人口十万人当たりで千二百五十・〇人と、全国平均の千十五・四人を上回っているものの、医師と同様な圏域で全国平均を下回っている状況であります。  そこで、本県において課題となっている医療従事者の地域偏在の解消に向け、県が積極的に医師や看護師などの医療従事者の育成・確保に取り組む必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  質問の第六点は、雇用対策の推進についてであります。  本県の人口は、平成十一年の百三万人をピークに二十二年連続して減少しており、特に十五歳未満の年少人口、十五歳から六十四歳の生産年齢人口が減少の一途にあり、少子高齢化の進行が深刻な状況であります。  一方、香川労働局が発表した七月の本県の雇用情勢では、新型コロナウイルス感染症の影響を注視する必要はあるものの持ち直しているとされ、長く続いた新型コロナウイルス感染症の影響からは回復の兆しを見せ、本県の有効求人倍率も一・四九倍と、全国の一・二九倍を上回っており、十年以上連続して一倍を超えているなど、県内企業は人手不足感が続いていることがうかがえます。  また、新聞報道によりますと、厚生労働省は、令和四年度の地域別最低賃金額の目安として過去最高となる三十一円の引上げを示しており、本県においては三十円増の八百七十八円となるようです。最低賃金が上がることで、特に中小企業にとっては、物価高に伴うコスト負担に加え、人件費の増加が大きな負担となり、さらに厳しい状況に置かれると推測します。  このような状況の中で、県内経済のコロナ禍からの回復、持続的な発展に向けて、県内企業においては安定的な人材確保が急務であると考えます。県内企業がよりよい人材を確保するためには企業の働き方改革の取組を支援することが不可欠で、働く人々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を自ら選択でき、労働者が安心して働くことができる雇用環境を整備することが重要であります。
     また、県内企業の情報や魅力を発信し、県外大学への進学者に対しても積極的な働きかけを行うことで県内企業に若手人材を呼び込み、定着させるなど、若者の雇用対策の充実を図るとともに、働く意欲がある女性・高齢者等の多様な人材が働きやすく、働きがいのある職場で就労できるよう支援するほか、職業に必要な知識や技術の習得を目指す求職者等に対する職業訓練等の人材育成にも取り組む必要があると考えます。  そこで、県内企業における人材確保に向け、積極的に雇用対策を推進する必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、知事にお伺いいたします。  質問の第七点は、今後の観光振興についてであります。  今年七月に発表された県観光客動態調査報告によりますと、令和三年に香川県を訪れた県外観光客は約五百八十一万人と、瀬戸大橋開通後で最少となった昨年をさらに下回り、新型コロナウイルス感染症発生前の令和元年比で約六〇%にまで減少しております。また、県外観光客による観光消費額は令和三年の総計で約六百四十七億円と、令和元年比で約五五%にまで減少しています。  そのような中、県では、旅行需要の回復と観光関連消費の喚起を図るため、新うどん県泊まってかがわ割を継続して実施しておりますが、大きな影響を受けている観光関連産業を十分回復させるには至っていない状況です。  また、観光庁が発表した令和四年度観光白書によりますと、旅行意欲を尋ねる質問に対して、旅行を「とてもしたい」、「したい」が合わせて七割を超えており、コロナ禍による意識の変化として、旅行需要は大きく高まっています。コロナ禍で新しい生活様式の定着や旅行に対する価値観の多様化が進む中、本県を旅行先として選んでもらうためには、多様化する旅行ニーズや旅行形態に合わせた本県独自の魅力ある観光地づくりに取り組み、旅行需要の高まりを逃すことなく、本県への誘客につなげていく必要があります。  しかしながら、全国から選ばれるような魅力ある観光資源は直ちに出来上がるものではなく、地域住民や関係団体と連携しながら掘り起こし、そして磨き上げるとともに、効果的な情報発信や販売強化に継続的に取り組む必要があることは言うまでもありません。  そこで、観光分野の地域間競争は一段と激化することが予想される中、県として、これまでの取組を踏まえ、コロナ禍における旅行需要の喚起策や将来を見据えた観光振興策にどのように取り組んでいくおつもりなのか、知事にお伺いいたします。  質問の第八点は、本県農業の振興についてであります。  我が国においては、人口減少や少子高齢化の進行、新型コロナウイルス感染症の長期化の影響による業務用需要の減少など、食に関する市場規模が縮小し、産地間競争がさらに激化しており、農業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。  県では昨年十月、「儲かる農業の推進」、「豊かな食の提供」、「魅力ある農村の実現」の三つを基本方針とした香川県農業・農村基本計画を策定し、今後の農業政策に取り組んでいくこととしたところであります。この計画に基づき、年々減少する農業者の確保に向けた新たな担い手の確保・育成を推進するとともに、安全・安心で多様な消費者ニーズを的確に捉えた農産物の安定供給やターゲットを明確にした戦略的な需要拡大に取り組むほか、生産性向上のための農業施設の基盤整備、活力あふれる農村づくりなどを進めているところです。  このような中、最近ではウクライナ情勢の悪化や急激な円安の進行などの影響から、農業生産に欠くことのできない肥料、飼料や燃油などが高騰し、生産コストの増大により、農業者の経営はこれまで以上に厳しい状況となっております。  農林水産省の調査によりますと、農業生産によって新たに生み出された付加価値を示す生産農業所得について、本県では耕地十アール当たり、令和二年に九万八千円と、五年前の平成二十七年の八万九千円に比べ約一割増加しているところですが、認定の更新を行う認定農業者を対象に毎年実施しているアンケート調査では、各市町の定める農業所得の目標額を上回ったのは、おおむね四割程度にとどまっている状況であります。  今後、次代を担う農業者を確保し、安定的に農業生産を継続していくためには、農業者の所得を向上し、農業の魅力を高めていくことが重要であり、国際情勢が悪化し、取り巻く環境が厳しい時代だからこそ、農業者の所得向上に取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、本県農業の持続的発展を図るため、農業者の所得向上の実現に向け、どのように取り組んでいくおつもりなのか、知事にお伺いします。  質問の第九点は、土木行政についてであります。  本県では、県民の安全・安心の確保や地域活力の向上への対応が県政の広範な分野で求められていますが、土木行政においても例外ではなく、取り組まなければならない課題が山積しています。  まず、県民の安全・安心の確保については、近年各地で頻発している風水害に備えた河川・砂防施設の維持・整備や住民に避難を促すソフト対策、そして発生確率が高まっている南海トラフ地震に備えた海岸堤防等の整備が重要な課題となっています。  併せて、橋梁をはじめ、道路や河川、港湾などの公共土木施設の老朽化が急速に進んでおり、維持管理費の大幅な増加の抑制を図りつつ、適切な老朽化対策を進めていく必要があります。例えば、丸亀市の土器川に架かる垂水橋は昭和三十七年に建設され、既に六十年が経過し、老朽化が進んでおり、局所的な修繕等を行っているものの、中方橋のように災害などで通行止めとなるおそれがあるのではないかと懸念しています。そのようなことが起こる前に、架け替えを視野に、早急の対応を検討する必要があると思います。  さらに、本県特有の課題である渇水対策や交通死亡事故抑止について、ダム整備や道路の交通安全対策も県民が強く求めているところであります。特に今年は、一時二〇一三年以来となる第三次取水制限に移行するなど、県民生活への影響が懸念されました。また、人口十万人当たりの交通事故死者数が恒常的にワースト上位にある本県にとって、道路の交通安全対策は急務であると考えます。  一方で、地域活力の向上では、人口減少が進む中にあって、県勢の持続的発展を図るため、産業の集積や交流人口の拡大、都市機能の充実の基盤となる道路や港湾の戦略的かつ計画的な整備が求められています。また、現在進められている県立アリーナの整備に併せ、サンポート高松地区の回遊性の向上や鉄道駅、港からの安全で快適な歩行空間の確保など、サンポート高松地区のより一層のにぎわい創出を実現していく必要があります。  このように、本県の土木行政にも多岐にわたり様々な課題が山積していますが、どのような方針の下、どのように取り組んでいくおつもりなのか、知事にお伺いいたします。  質問の第十点は、学校教育の充実についてであります。  本県では、全国と同様に、少子化や若者の県外流出などによる人口減少や地域活力の低下が危惧されており、香川の未来を守り、発展させていくためには、その基礎となる未来を担う人材を育てる場としての学校教育の充実が重要であると考えております。  新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、全国の学校で一斉に実施された臨時休業や、その後の感染対策による教育活動の制限は、学校の学びの場として果たす役割や、希薄化が懸念される学校と家庭・地域との連携の重要性を再認識させることとなりました。また、子供の資質・能力の一層の育成を図るためのGIGAスクール構想の実施が前倒しされ、小・中学校での一人一台の学習用端末の配備や高速大容量の通信ネットワークの整備など、教育現場でのICT環境の整備と活用が進められております。  こうした状況の中、これからの予測困難な時代を生き抜き、社会のつくり手となるために必要な確かな学力の育成、障害により教育上特別の支援を必要とする児童・生徒が増加する中での特別支援教育の充実、自己肯定感や自己有用感、自制心ややり抜く力といった非認知能力の向上、子供の心身の健康や福祉を害するいじめや暴力の防止、健康の維持や意欲の充実にも関わる体力の増進など、学校教育を取り巻く課題は多様化・複雑化しており、これらへの適切な対応が求められております。  また、県立高校においては、グローバル化の進展や学びのニーズの多様化などの社会変化により、県外を含めた私立高校や広域通信制高校への進学など、選択肢も広がっており、生徒や保護者に選ばれる学校となるよう、一層の特色化・魅力化が求められています。  そこで、こうした学校教育を取り巻く課題の解決や学校教育の充実に向け、知事はどのように取り組んでいくおつもりなのか、お伺いいたします。  また、学校教育の中でも大きな要素を占める学力の育成について、先般、小・中学生を対象とした令和四年度の全国学力・学習状況調査結果が公表され、本県では各学年、各教科ともほぼ全国平均を上回る結果であったと思いますが、教育長は、小・中学生、高校生の学力の現状をどのように捉えており、その向上に今後どう取り組んでいくおつもりか、併せてお伺いいたします。  質問の第十一点は、交通死亡事故の抑止についてであります。  県では、交通死亡事故の抑止を県政の喫緊の課題として位置づけ、国や各市町、関係団体と密接に連携・調整を図りながら、交通環境の整備、積極的な広報啓発活動、交通指導取締りなど、ハード、ソフト両面から様々な交通死亡事故の抑止対策に取り組んできました。こうした取組もあり、昨年の県内の交通事故による死者数は三十七人と、第一次交通戦争と呼ばれた昭和三十年代以降、初めて四十人を下回り、本年も九月二十日時点で二十三人と、昨年同期と比べ六人の減少となるなど、その成果が一定は現れてきているものと思われます。  しかしながら、交通事故による死者数は全国でも減少傾向にあり、人口十万人当たりで見ますと、一昨年はワースト一位、昨年はワースト三位、本年も九月二十日現在でワースト五位と、依然として全国ワースト上位となっており、厳しい状況にあると言わざるを得ません。また、本県の交通事故の特徴である高齢者や自転車利用者についても、それぞれ重点的な取組を進めてはいるものの、ともに人口十万人当たり死者数は全国ワースト上位の状況が続いております。  今後、さらに交通死亡事故を減少させ、全国ワースト上位から脱却するためには、国や各市町、関係団体等と連携して交通安全に対する県民の意識改革を図り、県民総ぐるみで交通安全に取り組むことが重要であると考えます。  そこで、本県の交通死亡事故の現状をどのように認識し、交通死亡事故の抑止に向けて今後どのように取り組んでいくお考えか、知事にお伺いいたします。  また、先ほども申し上げたとおり、今年の上半期は昨年に比べ交通事故死者数が少なくなっていますが、これから年末にかけては日没が早まることから夜間の時間帯が長くなり、自動車や歩行者などの発見がお互いに遅れるなど、交通事故が発生しやすくなります。今年の全国ワースト上位からの脱却に向けてはこれからの取組が非常に重要になってくると思いますが、下半期の交通死亡事故の抑止に向け、どのように取り組んでいこうとお考えなのか、警察本部長にお伺いいたします。  以上で香川県議会自由民主党議員会を代表しての質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁を求めます。  池田知事。    (知事池田豊人君登壇) ◯知事(池田豊人君)自由民主党議員会代表香川議員の御質問にお答えいたします。  まず、私の県政運営の基本的な考え方について御質問がございました。  人口減少や少子高齢化社会の進行に加えまして、世界的規模での経済活動の変質や新型コロナウイルス感染症の感染拡大、大規模自然災害の発生確率の高まりなど、私たちを取り巻く社会経済環境は大きく変化をし続けておりまして、難しい対応が求められる一方で、私たちはこれまで以上に長く活躍することのできる人生百年時代の到来を迎えているところであります。  このようなときに当たりまして、私は、県民の皆様全てが生涯のあらゆる段階で活躍して、人生の豊かさと幸せを実感しながら安心して暮らすことができる地域社会を全国に先駆けて実現し、香川県を「人生100年時代のフロンティア県」にするため力を尽くしてまいる所存であります。このため、次の三つの柱を中心に県政運営に取り組んでまいります。  その第一の柱は、子育て環境や教育環境、医療・介護・福祉サービス、防災・減災や防犯対策などの充実により、安全・安心で住みたくなる香川を目指す「県民100万人計画」であります。  また、第二の柱は、デジタル技術も活用しながら起業の促進や成長産業の育成、企業誘致、農林水産業の振興、港湾・空港機能の強化や広域道路ネットワークの整備などにより、経済発展に向けた活力に満ち挑戦できる香川を目指す「デジタル田園都市100計画」であります。  そして、第三の柱は、観光や文化・芸術・スポーツの振興、美しく快適な都市空間の整備などにより、多くの人が行き交い、訪れたくなる香川を目指す「にぎわい100計画」であります。  また、議員御指摘のとおり、こうした新たな視点や発想で施策を推進する上では県政の継続性にも配慮する必要があることから、現在の「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画や、かがわ創生総合戦略等との関係を整理する必要があると考えております。既存施策の点検を行いつつ、施策体系の整理を行いまして、来年度当初予算案を御提案する来年二月定例会を目途に、新たな施策全体の骨子案をお示ししたいと考えております。  次に、財政運営についてであります。  本県においては、持続可能な財政構造への転換を図るため、これまで累次にわたる財政運営の指針に沿いまして、毎年度生じる財源不足に的確に対応した財政健全化の取組を行い、収支均衡を図ることはもとより、県債残高の減少や財源対策用基金の取崩しの抑制を図るなど、計画的な財政運営に努めてきたところでございます。  新型コロナウイルス感染症への対応や不安定な国際情勢が続く中で、社会経済情勢の変化によっては、今後、財源への影響が懸念されます。また、国の債務残高が累増している状況を踏まえれば、地方財政措置の状況にも留意をしていく必要があります。また、実質的な一般財源総額が伸び悩む中、少子高齢化の進行による社会保障関係経費の累増や金利上昇による公債費の増加、また、老朽化した施設の修繕・更新なども予定されております。さらに、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策や原油・物価高騰対策をはじめ、防災・減災対策、人口減少対策、地域活性化の取組など、県政の諸課題が山積しております。  このような中において、引き続き財政健全化の取組を進め、財政規律の確保に留意して、計画的で持続可能な財政運営を行っていく必要があると考えております。一方で、山積する諸課題に着実に対応して、香川の将来を見通し、その発展を実現していくための各種施策についても積極的に取り組んでまいる所存であり、そのために必要な財政支出については適切に対応してまいりたいと考えております。  今後は、私自身、改めてこれまでの財政状況や財政健全化の取組の内容、既存の施策や事業の総点検を行いまして、今後の財政見通しを的確に把握をした上で、財政の持続可能性を確保しつつ、香川の発展を目指す新しい取組、これを行うことで経済と財政の好循環を生み出し、香川の未来を次の世代につなげてまいりたいと、このように考えております。  次は、求められる県職員像と人材育成についての御質問がございました。  本県では、平成二十一年三月に人材育成方針を策定をいたしまして、求められる職員像として、「明日の香川づくりに情熱を持ち、県民本位で行動するプロフェッショナルな職員」を掲げ、人材育成に取り組んできたところでございます。高度化・複雑多様化する行政課題や社会情勢の変化に対応するために、一人一人の職員の資質・能力の向上に取り組むことが大切であります。今後の県政を運営するに当たりまして重要と考えておりますのは、「挑戦」、「現場主義」、そして「連携」の三つのポイントに力点を置いて人材育成に取り組んでいく必要があると考えております。  まず、「挑戦」についてでございますけれども、積極的に、かつスピード感を持って課題に挑戦する職員を育成するため、失敗を恐れずチャレンジする大切さを職員育成面談など様々な機会を通じて伝えていくとともに、若手職員が挑戦できる機会の創出や、挑戦した職員が評価されるような人事考課制度の見直しなどに取り組んでまいります。  次に、「現場主義」についてでございます。現場の声を積極的に聴き、行政ニーズを把握して、政策立案ができる職員を育成するために、引き続き若手職員が出先機関などで県民の皆様や事業者の方々と直接対応する業務を経験する人事ローテーションを進めてまいります。また、データなどの合理的根拠に基づく政策の実施を推進して、そのための職員研修の充実を図ってまいります。  「連携」についてでございますけれども、国、市町、事業者などとの適切な役割分担の下、関係者の皆様とともに施策を推進していくことができる職員を育成するために、事業における連携のみならず、人事交流や職員研修などにおける各市町との連携の強化、異業種との交流の促進を図りまして、職員の幅広い視野や柔軟な思考力を養成してまいります。  今後は、これらの三つのポイントに力点を置いて人材を育成するとともに、ワーク・ライフ・バランスにも配慮しながら、職員の能力を最大限生かせる職場環境づくりにも取り組んでまいりたいと思います。さらに、このような人材育成の取組を対外的にも発信して、新しい人材の確保にもつなげてまいりたいと思います。  私としましては、職員一人一人とともに力を合わせて、明日の香川づくりに情熱を持って取り組んでまいりたいと考えており、県民本位で行動するプロフェッショナルな職員を育成して、県民サービスの向上が図られるように努めてまいります。  次は、防災・減災対策の御質問がございました。  大規模災害が発生した場合に災害による被害を最小限に抑えるためには、議員御指摘のとおり、自助・共助・公助が適切な役割分担の下に相まっていくことが重要であると考えております。このため、県や市町、防災関係機関、自主防災組織などの代表者で構成する香川県防災会議が策定しました、県の防災・減災対策の基本指針であります香川県地域防災計画におきまして、県、市町、防災関係機関、住民、それぞれの責務や処理すべき事務を定め、対策を総合的・計画的に推進することとしております。これまでもお互いの役割を共有して協力を図りながら、それぞれ取組を進めているところでございますけれども、このような考え方に基づいて、今後もしっかりと取り組んでいくことが大切だと考えております。  なお、発災時に中心的な役割を担っていく市町に対しては、その役割が適切に果たせるように、県としても県職員三十四名を発災時にリエゾンとして派遣する体制を整備するなどの取組を進めており、今後ともしっかりと取り組んでまいります。  また、県民の皆様の命や財産を守る上で、知事、私自身のリーダーシップが極めて重要であるというふうに認識をしております。災害発生時に迅速な対応が可能となるように、これまでも知事自らが参加する防災訓練や定期的な意見交換などを通じて関係機関との連携強化を図っておりますけれども、私自身も県内各市町の長の方とは既に緊急時に直接連絡を取り合える体制を構築をいたしております。それとともに、防災関係機関や自主防災機関とも顔の見える関係に努めてまいりたいと思います。  防災・減災対策は、一朝一夕にできるものではございません。今後、激甚化・頻発化が想定される風水害や、今後三十年以内の発生確率が七〇%から八〇%と言われる南海トラフ地震など、本県においても大規模災害がいつ発生してもおかしくない状況にある中、県全体としての防災・減災対策の充実・強化に向け、県や市町、防災関係機関、住民、それぞれの取組が着実に進むよう、知事としてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次は、豊島廃棄物等処理施設撤去等事業についての御質問がございました。  本事業は、平成十二年六月に県と豊島住民との間で合意した調停条項に基づき実施してきておりまして、調停条項では、県は、専門家による廃棄物などの撤去及び地下水などの浄化が完了したことの確認を受けまして、処分地を整地して、豊島三自治会に引き渡すことが定められております。  このうち、廃棄物などの撤去については既に完了し、関連施設の撤去につきましても豊島専用桟橋の撤去を今月末までに終える予定であるなど、順次撤去を進めておりまして、来月からは処分地の整地工事にも着手し、これらを今年度末までに完了する予定であります。また、地下水の浄化対策につきましては、環境基準の達成に向けまして、現在、追加的浄化対策を実施しておりますけれども、今後、専門家の意見を聞いた上で対策を終了し、その後は処分地への雨水の浸透などによる自然浄化によるため、環境基準の達成までには一定の年数が必要になると考えております。来年度以降も水質のモニタリングを継続しながら、処分地の管理を行っていくことにしております。  なお、環境基準を達成した後、引き渡す際の処分地の形状については、北海岸の土堰堤を残置するとともに、豊島住民会議から残置の要望があった施設を除きまして、県が設置した全ての施設を撤去することで、先月開催しました県と豊島住民会議との協議会において合意をしたところであります。  私といたしましては、本事業は県政の最重要課題の一つと認識をしております。国の財政支援が受けられる今年度末までに関連施設の撤去や処分地の整地を完了させ、その後、地下水の環境基準を達成して豊島三自治会に処分地を引き渡すまでやり遂げなければならないと考えており、今後とも豊島住民の方々や県議会をはじめ県民の皆様の御理解と御協力を得て、全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、医療提供体制の充実についての御質問がございました。  まず、医療ニーズの変化への対応についてでございます。  一層の高齢化の進展によりまして、リハビリテーションなど、医療機関における回復期機能や、訪問診療、訪問看護などの在宅医療の需要の増加が見込まれており、これらに対応した医療提供体制の構築が今後、重要になってきております。これらの点については、令和六年度からを計画期間とする第八次香川県保健医療計画を取りまとめる中で関係者の皆様の御意見を伺いながら、増加し続ける新しいニーズに対応した医療提供体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、医療従事者の地域偏在の解消についてでございます。本県の人口十万人当たりの医師・看護師などの数は、それぞれ御指摘のとおり全国平均を上回っておりますけれども、地域によっては医師や看護師が不足しておりまして、医療従事者の地域偏在は本県における重要な課題であると認識をしております。  このため、県では、香川県医師確保計画に基づきまして、将来、県内各地の医療機関に一定期間従事することを条件にした医学生修学資金貸付制度や、県内の専門研修プログラムに参加する若手医師に対する研修奨励金の支給など、各キャリアステージに応じた切れ目のない医師確保対策に取り組んでおります。また、看護師などにつきましても、看護学生を対象に、県内医療機関などに一定期間従事することを条件にした修学資金の貸付けや院内保育所を設置する医療機関への補助などにより、看護師などの育成・確保に取り組んでおります。  今後、次期保健医療計画の中で新たな医師確保計画を策定しまして、地域偏在の解消に資するよう、各医療機関をはじめ関係団体と緊密に連携しながら、医師や看護師などの育成・確保に積極的に取り組んでまいります。このような点に重点を置きながら、地域の医療提供体制につきまして、ICT技術なども活用しながら充実をさせていきたいと考えております。  次は、雇用対策の推進についての御質問がございました。  生産年齢人口の急速な減少によりまして、労働力不足への対応は本県においても喫緊の課題であります。議員御指摘のとおり、次代を担う若い方はもとより、働く意欲のある女性や高齢者などの多様な人材が活躍できるように、就業機会の確保を図っていくことが重要であると考えております。  このため、県内企業の働き方改革への支援につきましては、ワーク・ライフ・バランスの実現や、誰もが働きやすい職場環境づくりを通じて企業の労働生産性や魅力度が向上するよう、働き方改革推進アドバイザーの派遣や経営者や人事労務担当者向けセミナーの開催、企業表彰などを通じた普及啓発、さらには働き方改革に取り組む企業への助成など、県内企業の支援に努めてきたところでありますけれども、今後、このような取組を一層着実に進めてまいります。  また、若手人材の県内定着につきましては、県内企業の人材確保拠点としてサンポート高松にワークサポートかがわを設置しまして、県内外の大学生や求職者などに対して専門の人材採用コーディネーターによるきめ細かなマッチング支援を行いまして、県内企業の魅力や情報の発信などに積極的に取り組んで、若者の県内就職を促進していきたいと思います。  さらに、女性や高齢者、障害者などの多様な人材への就業機会の確保につきましては、県内企業においてこうした人材が活躍できるよう就労支援や職業訓練を実施しております。とりわけ出産や育児などを理由に離職された女性に対しては、かがわ女性・高齢者等就職支援センターを中心とした就労相談やキャリアカウンセリングなどの就業支援を行っております。加えて、職場復帰に向けた職業訓練につきましては、県が民間教育訓練機関に委託して行う訓練に際しまして託児サービスつきのコースを設けるなど、求職者に寄り添った再就職支援に取り組むほか、県内企業に対しても、こうした人材が活躍できる職場づくりへの理解を呼びかけてまいりたいと考えております。  次に、今後の観光振興についての御質問がございました。  観光関連産業は、新型コロナウイルス感染症の影響で過去に類を見ない甚大な影響を受けております。一方で、現在の旅行意欲の高まり、これを好機と捉えまして、落ち込んだ旅行需要を早期に回復させるとともに、その後も継続した誘客につなげていく必要があると考えております。  現在、県では旅行需要の回復と観光関連消費の喚起を図るために県内宿泊等促進事業を継続的に実施しておりますけれども、今後は全国旅行割として、国による助成対象の全国拡大が十月十一日より予定されております。瀬戸内国際芸術祭秋会期をはじめ、秋の観光シーズンや年末年始に向け、本県を旅行先として選んでいただけるように、県公式サイトでのPRをはじめ、SNSを通じて、自然や食、アートなどを盛り込んだPR動画を配信しまして、宿泊や体験イベント予約サイトへのアクセスを促してまいります。  また、今月からインターネット上のみで取引を行う旅行会社、いわゆるOTAのサイト上に本県の特設ページを開設し、県内で体験が可能な約二百八十商品について最大二千円を割り引くキャンペーンを開始したところでございます。  さらに、全国旅行割が終了した後においても継続的な観光需要を喚起するために、本県独自の宿泊助成キャンペーンを予定しているところであります。  今後は、地域間競争がさらに激化することが予想されます。継続した観光コンテンツの造成・発信・販売を通じて、県内での観光消費の一層の拡大を図る必要がございます。各市町や関係団体、旅行事業者と連携した付加価値の高い旅行商品の造成や販促キャンペーン、プロモーションに取り組みまして、国内外からの誘客促進につなげてまいりたいと思います。  また、その持続性を確保するために、県民の皆様にこれまで以上に瀬戸内海の島々をはじめとする県内の観光資源の魅力に触れていただいて、その感動を県民の皆様からSNSなどで発信していただきたいと考えておりまして、県としても様々な観点からこれに取り組んでまいりたいと思います。  次は、本県農業の振興についての御質問がございました。  本県農業を守り、継承していくためには、御指摘のとおり、農業者の所得が向上する必要がございます。そのためには売れる農産物づくりと販売力の強化により売上げを増加させること、生産性の向上によりコスト縮減を図ることが重要であると考えております。  このため、生産拡大につきましては、米麦の規模拡大に対する生産者への助成や小麦作付の団地化の推進に取り組むほか、園芸作物の安定生産を図るための機械施設の導入支援や、オリーブ畜産物の生産拡大を図るための畜舎などの整備支援を行ってまいります。  また、品質向上につきましては、農業試験場における、生産者や消費者のニーズも踏まえた新品種の育成や、新たな生産技術の開発による売れる農産物づくりに取り組んでまいります。  また、こうした県産農産物の魅力や特長を県内外の消費者へアピールして他の産地との差別化を図ることで積極的に選択してもらえるよう、県産の高品質な果樹・野菜・花卉を束ねてさぬき讃シリーズとして打ち出すなど、戦略的な販売促進に努めてまいりたいと考えております。  加えて、成長する海外市場での新たな需要開拓や輸出を前提とした産地の育成を図りたいと思います。また、農業者が農産物の生産に加え、食品加工や販売などを一体的に行い、新たな付加価値を生み出す六次産業化の取組や食品産業など他産業と連携した取組についても促進し、売上増を図ってまいりたいと思います。  一方、生産性の向上に向けましては、農地中間管理事業を活用した担い手への農地の集積・集約化と圃場整備や農業用水のパイプライン化などの生産基盤の整備を一体的に進め、農地利用の効率化を促進するとともに、農作業の効率化を図るロボット技術や栽培環境のデータを見える化して収量の増加などにつなげるデータ駆動型農業、こういったデジタル技術を活用したスマート農業の普及に努めて、農業者の生産コストの縮減を図ってまいります。  こうした生産面や販売面での取組を総合的に展開しまして、農業者の売上げの増加とコスト縮減を図り、所得向上を実現してまいりたいと考えております。  次に、土木行政についてでございます。  議員御指摘のとおり、県政の広範な分野での県民の安全・安心の確保、地域活力の向上が求められております。土木行政におきましても、この二つを目標に、着実に推進をしていく必要があると考えております。  このうち、県民の安全・安心の確保につきましては、まず南海トラフ地震に対する海岸堤防などの対策といたしまして、平成二十七年三月に策定しました香川県地震・津波対策海岸堤防等整備計画におきまして、優先度の高い箇所から重点的・集中的に進めておりまして、令和六年度までの十年間で約四十七キロメートルの整備をすることとその計画の中で位置づけております。昨年度末までにその七割強の約三十四キロメートルの整備が完了しているところでありまして、残りの整備を進めていきたいと思います。  また、昨年八月には香川県流域治水プロジェクトを策定しまして、河川の改修、砂防施設やダムの整備などの流域治水対策を計画的に推進しております。また、公共土木施設の老朽化に対しましても、施設ごとの長寿命化計画に沿って計画的・効率的な対策に取り組んでおります。特に橋梁の老朽化については、県が管理する全ての橋梁千四百七十六橋について五年ごとの点検を行っておりまして、緊急に措置を講ずべき状態の橋梁はございませんでしたけれども、早期に措置を講ずべき状態の橋梁は百八十四橋ございまして、昨年度末までに百二十橋で工事が完了し、残る六十四橋についても対策に着手しており、整備を急いでいきたいと思います。  御指摘のありました垂水橋につきましても、平成二十八年度と令和三年度の二度の定期点検におきまして早期に措置を講ずべき状態の橋梁と判断されていることを踏まえまして、早期に抜本的な対応が必要であると考えております。架け替えも視野に、対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
     さらに、本県の課題である渇水や交通死亡事故の対応についても、ダムの整備や交通安全対策についても着実に実施をしてまいりたいと思います。  また、地域活力の向上に関係するものとしまして、本県が四国の玄関口でありまして、物流・人流の要衝の地となっております。これをさらに伸ばしていくことが重要であると考えておりまして、空港連絡道路やさぬき浜街道など県内の幹線道路ネットワークの整備、高松港などの港湾整備の推進、幹線道路の渋滞対策や港湾機能の強化に取り組んでまいりたいと考えております。今後は、着実にその整備を進めるために、幹線道路や港湾計画についての新しい整備計画を策定したいと考えております。  また、サンポート高松地区につきましては、新県立体育館などの新たな施設整備に併せて、地区全体としてにぎわいがある一大プロムナードとなるよう、歩行者が安全で快適に歩ける空間づくりに取り組んでまいります。今後、地域の実情や県民のニーズを十分に踏まえまして、切れ目なく着実に事業が実施できる予算確保に努め、土木行政に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、学校教育の充実についての御質問がございました。  学校教育については、議員御指摘の確かな学力の育成やいじめや暴力の防止のほか、県立高校の一層の特色化や魅力化など、多様な課題があるというふうに認識をしております。  このうち、確かな学力の育成については、教育委員会との緊密な連携の下、小・中学校においては、香川型指導体制の柱の一つとして、国に先駆けて全学年での三十五人学級を実現したところでございまして、もう一つの柱である小学校高学年での教科担任制の一層の推進にも努めてまいります。  県立高校の魅力化につきましては、教育委員会と連携を図りながら、全国から生徒を募集するせとうち留学の一層の充実や、自治体や企業などと連携した地域課題解決型学習の推進、部活動や学校行事を含む多様な学びのニーズに応えられる教育環境の整備を進めてまいります。  特別支援教育については、来年四月の開校に向けまして、現在、小豆島みんなの支援学校の建設工事が進められているほか、今定例会に、校名においても特別支援教育の視点を明確に示すため、県立特別支援学校の校名変更の条例議案を御提案させていただいております。  また、体験活動の充実やボランティア活動の推進等による非認知能力の向上、また、子供たちが自主的に運営するいじめゼロ子どもサミットの開催などによるいじめや暴力の防止、スクールソーシャルワーカーなど専門家と協働した不登校児童・生徒への支援、他の学校とも競い合いながら楽しく外遊びを行うあそびンピックなどの実施を通じた体力の増進、このような施策についても進めていく必要があると考えております。  今後とも、子供たちの発達段階に応じた最適な学びを保障し、豊かな成長を支えることができるよう、教育委員会とも緊密に連携を図りながら学校教育の一層の充実に取り組んでまいりたいと思います。  最後に、交通死亡事故の抑止についての御質問がございました。  交通死亡事故の抑止は県政の重要課題の一つであります。議員御指摘のとおり、県では、県警察や各市町、関係団体などと連携して、毎年、春と秋に実施している事故危険箇所での現地総合診断に基づく施設整備や、毎年三回実施している県下一斉街頭キャンペーンなど、ハード、ソフト両面から様々な対策を行っており、特に、本年一月からは毎月の交通死亡事故ゼロを目指すことを目標に掲げまして、高齢者や自転車利用者が被害者となる事故が多いという特徴を踏まえての取組を進めているところであります。  このような取組によりまして、本県の交通事故死者数は、年により増減はあるものの、減少傾向になっておりますけれども、全国的にも同様の傾向の中で、人口十万人当たりで見ますとワースト上位が続いている現状は依然として憂慮すべき状況であると認識をしております。こうした状況を踏まえまして、交通死亡事故ゼロを目指すという方向性は継続をすべきと考えておりまして、これまで取り組んでおります広報・啓発、交通環境の整備、交通指導取締りを柱とした様々な対策がより効果的なものとなるよう、関係機関とも連携をして、着実に進めてまいりたいと思います。  加えて、交通死亡事故の抑止は県民の皆様の意識に負うところも大きく、毎年、交通事故によって多くの貴い命が失われているという現状を、改めて県民お一人一人の意識に強く訴えていくことが重要であります。今後、こうした点に十分留意して、交通死亡事故の抑止対策に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)自由民主党議員会代表香川議員の学校教育の充実についての御質問にお答えいたします。  本年度、本県小・中学生の全国学力・学習状況調査の結果については、実施教科全てにおいて正答率が全国平均以上となり、これまで課題であった思考力等に改善傾向が見られたほか、児童生徒質問紙調査では、授業で自分の考えを伝え、友達と話し合う児童・生徒が増加するなど、本県の目指す協働的な学びが進められていると考えております。一方、国語の読解力には依然として課題が残っていることや、理科の実験結果の分析・考察を苦手としていることなどを改めて認識したところです。今回の調査結果を踏まえ、例えば、言葉と図や表、写真をつなぎ、考えを深める活動や、身近な事象から学習課題を見いだしたり、学んだことを日常生活に活用したりする活動などの工夫のポイントを取りまとめ、各学校の授業改善に生かしてまいります。  また、現在増加している若年教員が具体的な授業づくりをイメージできるよう、本年度から授業力に優れた教員の授業動画を教育センターのホームページに掲載し、校内研修等での活用を促すとともに、協働的な学びやICT活用などに取り組むモデル校の授業実践の普及・啓発を通じて、小・中学校の授業改善を図ってまいります。  県立高校では、多様な学科・コースや幅広い進路希望に応じた教育活動を実践しており、生徒の学力を一律に測ることはできませんが、各高校がそれぞれの教育目標に応じて生徒に必要な資質・能力の習得や進路の実現に向け、取り組んでいるところです。さらに、複雑で予測困難な時代を生きていく生徒たちは、その知識・技能を活用し、他者と協働しながら自ら課題を発見・解決する力や、新たな価値を創造する力を身につけることがより一層重要になることから、県立高校においては、地元自治体や大学、企業等と連携・協力し、地域課題を題材とした探究型の学習を推進しているところであり、今後、研究指定校の成果を取りまとめ、香川型教育メソッドとして全ての高校で展開したいと考えています。  県教育委員会といたしましては、市町教育委員会と連携を図りながら効果的な授業改善等を進め、これからの児童・生徒に必要な学力を育てられるよう、学校教育の一層の充実に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)今井警察本部長。    (警察本部長今井宗雄君登壇) ◯警察本部長(今井宗雄君)自由民主党議員会代表香川議員の交通死亡事故の抑止についての御質問にお答えいたします。  本年上半期の交通事故による死者数は、統計の残る昭和二十三年以降最少の十七人で、これまでの交通事故分析に基づく交通指導取締りをはじめ、年齢層や交通手段に応じたきめ細かな交通安全教育、交通事故の起きにくい交通環境の整備等、関係機関と連携した各種対策が一定の効果を発揮しているものと考えております。  一方、本年の交通死亡事故は、昨年と比較して歩行者の死者数が大幅に増加しているほか、依然として高齢者が死者数の六割近くを占めるなどの課題があります。また、議員御指摘のとおり、本県では日没の早まりとともに死亡事故が増加する傾向にあり、過去五年間の死者数を月別平均で見ると十月が最多となるほか、当事者別では高齢者を中心とした歩行者や自転車利用者の犠牲が増加するなどの特徴が見られます。  このため、県警察では、歩行者に正しいルール遵守を促し、ドライバーに歩行者優先を徹底させる横断歩道は歩行者優先運動を引き続き強力に推進するほか、日没前の早めのライト点灯や対向車等がいない場合のハイビームの活用を積極的に広報啓発するとともに、高齢者に対しましては、高齢者交通安全ガイドや各種交通教室等による正しい道路の横断方法や反射材の着用促進を指導・啓発すること等を通じ、歩行者が犠牲となる交通事故防止に努めてまいります。  また、自転車利用者に対しましては、改正道路交通法により全ての自転車利用者に対するヘルメット着用の努力義務化が来年四月までに施行されることを踏まえ、関係機関と連携した自転車ヘルメットの着用促進を一層強化するほか、警察官の警告に従わないなど、悪質・危険な自転車の交通違反に対しては、検挙を前提に厳しい措置で臨むことで自転車事故の抑止にも努めてまいります。  さらに、今後の課題として、令和六年四月までに電動キックボードに関する新たな規定が施行され、若者を中心とした急速な普及とそれに伴う違反や事故の増加が予想されるため、施行に向けた広報啓発活動や警察職員に対する教養の強化など、交通環境や時代の変化にも適切に対応してまいります。  県警察といたしましては、このような課題や情勢を踏まえた上で、関係機関等と緊密に連携し、各種対策に全力で取り組むことで交通死亡事故抑止に努めてまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)代表による質疑・質問を続行いたします。  かがわ立憲みらい代表高田良徳君。    (高田良徳君登壇、拍手) ◯高田良徳君 冒頭、このたびの知事選挙において、めでたく当選されました池田新知事に対し、心からお祝いを申し上げますとともに、県民福祉向上のため、また、本県の未来のためにも、新知事の御奮闘に大いなる期待をするところです。私たちも池田新知事との政策協定を重視するとともに、県民の声をしっかりと聞き、県民の幸せのための努力を惜しまないことをここにお約束するものです。  それでは、かがわ立憲みらいを代表して、以下、大きく七点について質問し、今回は専ら新知事に対し御見解を伺うことにしたいと思います。  一点目に、県議会との関係についてお聞きします。  今回、私どもの会派を含め、県議会での五つの会派、あるいはその所属する四つの政党が選挙で池田候補を推薦しました。そういう意味では、この香川県議会においては、ほとんどが与党であり、マスコミからも県議会は総与党体制のような言い方がされ、このことが低投票率の原因ではないでしょうか。投票率の低さは、そのまま県民からの批判の表れなのかもしれません。  しかし、これは全てが当たっているわけではありません。私どもの会派が知事と一緒に進める政策として、政策協定を締結したのは県民福祉向上のためにほかならないわけでありますし、知事与党だからといって、知事に無理やり対応を押しつけるようなことでもなく、また、そんな力を私どもが持っているとも思っていません。  確かに国政の場合だと、内閣を支える与党とそうでない野党が激突することで議院内閣制が活性化する仕組みになっています。もとより地方議会においても、国政での党派の考え方が反映されるのは当然です。しかし、地方における二元代表制の下では、県議会は、県民の立場で、知事の提案に対しては是は是、非は非として厳しい監視や提言を行うものだと思います。言わば地方議会は首長に対して野党的性格を持たざるを得ないと考えます。ですから、議会と知事、執行部がいい意味での緊張と協調関係の中でのそれぞれの役割を果たすことが県政の発展につながると思います。  知事は先日の記者会見で、四党から推薦ということで、県政運営については議会に何でも相談できる体制になっていると考えているとお答えになりましたが、その言い方は、私にはちょっと違和感があります。共産党さんとは相談しないよとも聞こえます。選挙というものは、当然勝ち負けがあります。しかし、五十一で勝ったほうが四十九で負けたほうを無視して政治はできません。今回の知事選挙で言えば、七十四で勝ったほうが二十六で負けたほうを無視して県政はできないということだと思います。知事も就任の挨拶で、不偏不党、公平公正、透明性の高い県政を進めるとおっしゃいましたが、まさにそのことです。  そこで、知事は県議会との関係についてどうあるべきと考えるのか、まずお聞かせいただきたいと思います。  二点目に、新型コロナウイルス感染症対策についてお聞きします。  知事は就任時に、緊急を要する課題として新型コロナウイルス感染症対策と物価高対策を挙げました。  そこでまず、新型コロナウイルス感染症対策の現状をどのように認識しておられるのか、お聞きします。  新型コロナウイルス感染症も、既に感染が広がって三年がたとうとしています。最初の頃は新型コロナウイルスの正体が分からず、想定外なことが起こり、対応できなかったことも、現在までにワクチンの開発、接種や医療体制の強化など多くの対策に取り組まれ、想定内のことには対応できる状況にはなってきたと思います。しかし、現在、第七波と感染の波は繰り返され、コロナ禍はいつ収束するか分かりませんし、世間がウィズコロナに転換しようとしているように、もしかしたら収束しないのかもしれません。  このような状況の中で、現状の新型コロナウイルス感染症患者に対する対応です。今月二十五日発表分までで新型コロナ感染症患者で死亡した方は県内で二百八十七人であり、そのうち百十八人が医療機関以外の場所で亡くなったと聞いています。ですから、亡くなった方の四割は、まともに医者にかかることができずに亡くなったということだと思います。  先月、実際にあった例を申し上げると、ある老人保健施設で職員が新型コロナウイルスに感染したことが分かり、その職員を自宅待機させるも、入所者にも感染が広がってしまいました。その入所者の一人は感染して四日後、食事も食べられなくなり、点滴での栄養補給となったことが家族に伝えられました。もちろん家族は、その入所者に会うことはできません。その家族から施設に対して、感染して苦しむ家族を施設から病院に移してほしいと懇願するも、その願いはかなわず、その四日後にその入所者は施設で死亡しました。そして、家族として最後の対面もかなわず、遺骨での実家への帰還となりました。あまりにもあっけない死亡連絡とその対応に対し、この家族の悔しさを知事は理解していただけるでしょうか。怒りは、施設、最初に感染した職員、もしくは保健所へでしょうか。どこにぶつければよいのでしょうか。こんなことが現在でも日常的に起きているということです。これを仕方がないで済ませているのが現状だということを認識しなければなりません。  コロナ禍における医療提供体制の整備充実・確保を、この間、県としてどれだけ言ってきたでしょうか。今回の補正予算でも、高齢者等重症化防止支援体制構築事業として四千四百万円程度が予算化されていますが、この程度の対応で、もうこのような不幸なことは起きないと考えてよいのでしょうか。  そこで、三年近くたっても改善されず、県民の命が守れない状況を知事はどのように考え、どのように対応すべきと考えているのか、教えてほしいと思います。  また、もう一つの問題、新型コロナウイルス感染症により亡くなった方の遺体の処置方法についてです。遺体は息をしていません。ですから、接触さえしなければ感染の可能性はありません。新型コロナウイルスの正体が分からなかった初期の頃ならまだしも、いまだに最後の対面もかなわず、遺骨になるまで会えないなどあり得ない対応だと言わざるを得ませんが、知事はどのようにお考えでしょうか。現状、葬儀業者の対応方法を示した厚労省ガイドラインがどのようになっているのか、問題はないのか、そして、それを受けての県内葬儀業者の現在の対応の状況がどうなっており、今後どのようにすべきとお考えか、教えていただきたいと思います。  三点目に、物価高騰対策についてお聞きします。  知事の挙げた緊急を要する課題のもう一つが物価高騰対策ですが、今回の補正予算では、燃油価格高騰による運送業者への支援に四億三千万円余、肥料購入経費の助成に一億一千五百万円余、県立学校の給食費の支援に二百万円余が計上されました。また、追加で物価高騰等を乗り越える事業者を応援する総合補助金の増額も図られました。しかし、知事が就任時に緊急を要する課題として挙げた割には、申し訳ありませんが、既に織り込み済みの感が強く、特徴のない凡庸な施策ではないかと思います。確かに就任してすぐの補正予算の提案ですから、時間がなかったのでしょう。今回の補正には間に合わなかったけれども、新たな物価高騰対策は別にお考えのことだと思います。  先日、政府は物価高騰対策として地方創生臨時交付金を六千億円増額することが報道されました。これは、電気・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金として推奨事業メニューも示されています。メニューでは、生活者支援と事業者支援とが挙げられていますが、このメニューにこだわることなく、知恵を絞って、例えば、知事が公約で掲げていた子育て世帯への支援など、世帯に直接届く支援に使ってほしいと思います。  これから燃油や食料品だけでなく、タクシー料金の値上げ、JR運賃の値上げなど、家計がますます厳しくなることが予想されます。今回の国からの交付金を含めて、今後早急に取り組むべき物価高対策についてのお考えをお聞かせください。  四点目に、コロナ禍での県税収入の状況と来年度の予算編成方針についてお聞きします。  今年度の当初予算では、県税収入が昨年度当初予算に比べて百十四億円も伸びると見積もられています。コロナ禍で多くの事業者が疲弊し、県としてもその事業者に対して支援メニューを提示し、何とかこのコロナ禍を耐え抜いてほしいと考えている状況の中で、多くの事業者が利益を出して、県税収入が大幅に伸びると見積もっているわけで、矛盾を感じざるを得ないことは二月定例会の代表質問でも申し上げたところです。それに対して浜田前知事は、令和三年度当初予算では、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けるものとして前年度から大幅に減少する見込みとしていたが、小売業や製造業などの業績が堅調に推移し、税収増が見込まれること、令和二年度の決算状況及び地方財政計画を踏まえ、令和四年度は約百十四億円増加するものと見込んだと答弁されました。  もちろん、地方財政計画を踏まえての予算編成ですので、本県だけではありませんが、当初の予想どおり県内企業が収益を上げ、県税が増収へと本当に推移しているのか、現状及び今後の税収見積りをお聞きしたいと思います。  というのも、多くの企業の増収が事実であれば、物価高騰等を乗り越える事業者を応援する総合補助金として三十億円も支出することにも疑問が出てくるわけです。円安によって、昨年は輸出関連企業の追い風になってGDPを押し上げ、税収増に働いたと言われています。しかし、現在の行き過ぎた円安により原材料価格が高止まりの中、ますますの物価高騰で多くの企業の経営が苦しくなっていると思います。だからこそ、総合補助金等で県内企業を支援しているはずです。  現実、円安や物価高騰が県税収入にどう影響を及ぼすのか。輸入品の価格の上昇で地方消費税の貨物割の増収がどの程度影響するのかなど、そのあたりはどのように分析しているのか、教えていただきたいと思います。  また、多くの自治体で昨年度の決算見込みが発表され、過去最多の県税収入になっているところもあるようです。昨年度は本県でも第五波、第六波において、まん延防止等重点措置により行動制限が実施され、体力を失った商店は閉店を余儀なくされました。にもかかわらず、本県でも予想を上回る県税収入の増加がありましたが、このあたりの分析はどのようにされているのか、教えていただきたいと思います。  関連して、来年度の予算編成方針についてです。今後、池田カラーを前面に出した政策が次々と明らかになってくると思います。それを具現化したものが来年度の当初予算案となっていくのだと思いますが、浜田前知事時代を引き継ぐ意味でも、県の総合計画「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画に基づいたものでもあるのだと思います。そして、財政見通しは昨年十一月に策定された新たな財政運営指針からいえば、毎年二百十八億円の財源不足が生じないよう対策を講じなくてはなりません。  これらのことからいえば、これから質問します知事が公約として掲げられた「香川New100PLAN」は、私どもの会派と締結した政策協定の実現にもつながる、賛同できるものも多いわけですが、実施は予算が伴うものばかりです。簡単ではないと思いますが、どのように財源を捻出していこうとお考えでしょうか。  五点目に、知事が公約に掲げた「香川New100PLAN」についてお聞きしたいと思います。  まず、「県民100万人計画」です。人口を増やすという意味で、「子育てしやすい香川県」と言われる県を目指すことだと理解しています。先日のインタビューで知事は、少子化を止めるために局面を変えたいとおっしゃっていました。「局面を変える」という言葉は、将棋でよく使われます。「あの一手で局面は変わった」と。私は、少子化を止める一手というものはないと思います。何手も打って、やっと効果がちょっと見えるというものだと思います。  例えば、高校生までの医療費無料、第二子以降の保育料無料、給食費の無料、おむつ支給、病児保育・一時保育施設の整備、条件なしの幼稚園預かり保育の実施、児童館・公園整備などのハード対策などなど、子育て支援策は幾らでもあります。予算的に困難なものばかりですが、子育てしやすい香川県と言われるために、何をどのように取り組めばよいと考えているのか、教えていただきたいと思います。  次に、「デジタル田園都市100計画」です。これが一番よく分かりません。岸田内閣の看板政策に名称がよく似ていますが、関連しているのでしょうか。大平元首相の田園都市構想は、私の理解では、地方分権の先取りで、今で言う地方創生に近い意味だと理解しています。ですから、これにデジタルという単語が頭についたわけですから、想像するに、デジタル技術によって地方でも都会と同じ仕事ができる、地方でも医療も福祉も充実して快適な生活が送れるというような発想だと思います。また、スマート農業や六次産業化、地域資源の発掘など、もっともっとデジタル技術で地域の魅力を発信していくというのもあるのかもしれません。  知事はインタビューで、生産拠点としての力を発揮することが経済を牽引する力になるとおっしゃっていました。デジタル技術で生産拠点としての力をつけるという意味だと思いますが、例えば、具体的にどのような技術で何を生産し、経済を牽引する力になるのか、教えていただきたいと思います。  現在、農政の課題で言えば、食料自給率は三八%まで下がり、香川でも農家戸数は減り、同時に稲作面積も減少し、農地集積も進んでいません。耕作放棄地の増加で害虫、鳥獣など近隣住民にも被害が出てきます。このままでは、農業は持続可能な産業ではなく、斜陽産業と位置づけるしかありません。基幹産業として農業を再生するには、香川県として何をどう取り組むべきと考えているか、知事のお考えをお聞かせください。  もう一つの柱、「にぎわい100計画」です。これは分かりやすいです。観光で交流人口を増やそうということだと思います。瀬戸芸などのイベントで全国そして世界の方々に瀬戸内海の魅力をPRしていこうということや、サンポート地区のプロムナード計画について、知事が話されているのを拝見しました。しかし、このことについては浜田前知事もいろいろと取り組んできたと思います。サンポート地区もアリーナ、大学、外資系最高級ホテル、駅ビルなど、今後のにぎわいが期待される状況ですが、既定路線ではなくて、新たに知事は何をして交流人口を増やそうと考えているのか、具体的に教えていただきたいと思います。  そもそも「田園都市100計画」もそうですが、この「にぎわい100計画」も含めて、この「100計画」とはどういう意味なのでしょうか、教えていただきたいと思います。  六点目に、種子条例制定についてお聞きします。  種子を守る会香川は、八月十二日、主要農作物種子法の廃止により、種子の生産不安定化や価格高騰、民間企業による私有化などが懸念されるとして、浜田前知事と高城県議会議長に種子条例の制定要望書を一万八千七百十三人分の署名とともに提出しました。県議会でも、この問題は今まで何人もの議員が一般質問及び経済委員会で何度も質問しているところですが、残念ながら前向きな答弁が返ってきたことはありません。今回、新しい知事になったことと併せて、県民からの署名が提出されたこともあり、提出者を代弁させていただく形で代表質問に取り上げることにしました。今度こそ、私どもが納得できる答弁を期待しています。  御存じのとおり、種子法は二〇一八年四月に廃止されましたが、全国的には種子法に代わる条例が次々と制定されています。私どもが調べてみたところでは、既に三十一道県で条例化され、全都道府県の約三分の二で当該条例が制定されていることになります。このような流れになっている理由としては、私どもが言ってきたとおり、米、麦、大豆の主要農作物の種子の生産と普及について、県へ義務づける根拠法を失ったことに対する将来的な民間参入への不安です。具体的には、種子の価格高騰や外資系企業の独占の懸念など、農業者や消費者からの声を受けて、各地で条例化が進んだわけです。本県でも、先ほど申し上げたとおり、一万八千七百十三人の署名とともに、県と県議会に対して種子条例制定の要望が届いています。  恐らく県の立場は、二年前に答弁いただいた内容である「現時点で直ちに条例を制定することは考えておりませんが、私といたしましては、引き続き本県の主要農作物である米麦の振興を図る観点から、県が責任を持って種子の安定供給体制を構築することにより、農業者の方々が安心して高品質な農産物を生産し、消費者に供給できるよう、今後も種子の生産と供給状況や各方面の御意見などを踏まえ、必要な措置を講じてまいります。」という浜田前知事の答弁から考え方を変えたとは聞いておりませんから、条例化の意思はないのだと思います。しかし、もう全国的な流れである種子条例制定へとかじを切ってほしいと思います。県内自治体でも、坂出市議会、丸亀市議会、三木町議会において、県に対しての種子条例制定を求める意見書が可決されており、県内市町議会の声を、県として、しっかり耳を傾けなくてはなりません。  従来の種子法に規定されていた県の役割を要領に明記し、従来同様優良な種子の生産と供給が円滑に行われているので、直ちに条例の制定は必要ないという県の考え方は、従来同様、県が責任を持つのであれば農家が農業に安心して取り組めるというメリットがあるわけですから、条例化するべきです。逆に条例化することで、何のデメリットも考えつきません。  そこで、知事に質問です。  ここに至って県民からの署名や各市町議会から意見書が出されるようになり、多くの県民も意識し出したのだと思います。そういう意味では、種子条例を検討すべき時期が来ていることは間違いないと思います。種子を守る会香川からの要望であった二点、県が責任を持って主要農産物の優良種子を安定供給するために種子条例を制定してくださいということと、条例の制定に際し、広く市民の意見を聞く懇談会を開催し、種子条例に反映させてくださいについて、知事の御意見と、この要望についてどのように対応するのか、教えていただきたいと思います。  七点目に、クラウドファンディングによるドクターカーの購入についてお聞きします。  このことは代表質問の項目に挙げるような内容ではなく、文教厚生委員会で聞くべき内容かもしれませんが、九月末までの募集期間中に話題にすることに意味があると考え、質問することにしました。  また、このことは、香川県としての県民に対する姿勢としても問題です。クラウドファンディングによるドクターカーの購入について、何人もの県民から、「そんな大事なものならなぜ県が購入できないのか」と当然の意見をいただきました。県民医療の最後のとりでであり、迅速で質の高い救急医療を提供するためのドクターカーの購入を寄附金に頼るということは、行政の最大の使命である住民の生命と財産を守ることを放棄していると言わざるを得ないということだし、そのとおりだと思っています。  私自身、このことについては、県は、人の命に関わるものなのに県の責任で購入せず、クラウドファンディングに乗せるのは、県民に対しての脅しであり、だましであると思っていましたが、最初は全くの愚策とは思っていませんでした。というのも、ふるさと納税制度を使うということから、県外からの返礼品なしでのふるさと納税者を増やす意味ではある意味有効な手段でもあります。香川県へのふるさと納税は全国でも低位ですから、他県に税金を取られないためにこんな取組をしたと考えれば理解できないでもありません。そして、重要なものだからお金が集まるし、県費で購入予定のものとばらしてしまうことで、お金が集まらなくなるのかもしれません。ですから、これは新手の歳入確保策だと考えることができます。先ほど昨年十一月に出された新たな財政運営指針について触れさせていただきましたが、その中の歳入確保策のところに、「ふるさと納税を積極的にPRする」ということと、「クラウドファンディングなど新たな資金調達手法の活用を検討する」ということが書かれています。まさに書いてあるとおり、これを実践したのでしょう。  しかし、寄附者のコメントを見て、この考えは変わりました。寄附者の多くは県内在住者でした。そうであるならば、ふるさと納税制度で寄附を受けても、その分県税が減額され、県としての歳入確保策にはなりません。そして、寄附者においては一人当たり二千円の自己負担が必要となり、極めつけは、この制度を利用することで県としても一定割合の手数料が必要になり、一千六百万円集めても手数料を三百万円も納入しなければならないということです。これではクラウドファンディング運営業者をもうけさせるだけです。ですから、県外からの寄附は丸々収入になりますから、寄附者は県外の方に限定しなければ、この理屈は通りません。  このようなクラウドファンディングによるドクターカーの購入について、県の姿勢としていいのか悪いのか、知事はどのように思っているのか、教えていただきたいと思います。  以上、前向きな答弁を期待し、かがわ立憲みらいを代表しての質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁を求めます。  池田知事。    (知事池田豊人君登壇) ◯知事(池田豊人君)かがわ立憲みらい代表高田議員の御質問にお答えいたします。  まず、県議会と知事との関係についての御質問がございました。  御指摘のとおり、知事と県議会は、ともに直接県民の皆様から選挙で選ばれ、県民の代表として、車の両輪のように、それぞれの役割を果たしていくことが求められていると考えております。このような考え方を踏まえまして、私は県民本位の県政を肝に銘じ、県議会に対しましては、適時分かりやすい情報提供を行った上で十分に議論を尽くしてまいる所存でございます。県民の皆様の安全な暮らしを守り、県経済を発展させ、本県の未来を次の世代につないでいけるように、県議会と緊密に連携してまいりたいと考えております。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についての御質問がございました。  議員御指摘のとおり、本県において亡くなられた感染者の中には、医療機関以外の場所で亡くなられた方がいると承知をしております。また、亡くなられた方は七十歳代以上の高齢の方が多く、感染が拡大した時期におきましては、入院を受け入れる重点医療機関などにおきましても、病床の逼迫や医療従事者の感染などによる感染患者の受入れが困難な状況が発生をした関係で、やむを得ず入所中の高齢者施設などで療養をお願いすることも多くなり、残念ながら施設で療養中に亡くなられた方がいることも承知をしております。改めて亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方へのお悔やみを申し上げたいと思います。  これまで県では、施設内で職員などが感染した場合に、速やかに抗原検査キットを配布して検査をしていただくことや、高度な専門知識を持つ感染管理認定看護師を派遣して感染拡大防止の指導を行うなど、まずは施設内の感染を早期に収束させるための支援を行ってまいりました。  今回、施設等での初期治療に地域の医療機関が早期に対応できる体制を構築するとともに、クラスター発生時には必要に応じて専門的な知識を有する医療機関による支援ができるよう、高齢者等重症化防止支援体制構築事業を今定例会に御提案したところでございます。これらの事業を活用して、高齢者施設などにおける感染拡大防止や早期の医療の支援に努めてまいりたいと思います。  また、国が作成したガイドラインにおいて、御遺体におきましては飛沫感染のおそれはないため、接触感染に注意をすること、また、御遺体が非透過性納体袋に適切に収容され、かつ適切に管理されていれば、御遺体からの感染リスクは極めて低くなるとされております。加えて、遺族などの御意思をできる限り尊重しつつ、適切な感染対策を講じて業務を実施することも記載されておりまして、納体袋につきましては、少なくともお顔の部分が透明な非透過性納体袋の使用が推奨されております。このガイドラインにつきましては、県内の業界団体などに周知をいたしますとともに、適切な運用について依頼をしております。今後とも必要に応じ、適切に対応していきたいと考えております。  次に、物価高騰対策についての御質問がございました。  新型コロナウイルス感染症への対応が二年余りに及ぶ中、世界規模のエネルギー価格や物価の高騰に伴いまして、幅広い範囲の県民の皆様に様々な影響が及んでおり、経済活動の下支えや県民生活への支援などが必要であると認識しております。  このため、県では、六月定例会で御議決いただきました物価高騰対策の速やかな執行に努めるなど、その効果の早期発現に取り組んでおります。また、さらに、この定例会では物価高騰などを乗り越える事業者を応援する総合補助金の増額に係る補正予算議案を追加提案し、先議いただくとともに、県民生活への支援や地域経済の回復・活性化などを図るための追加の物価高騰対策などを内容とする補正予算議案を御提案しているところでございます。  今後とも、県内経済などの状況や県民の皆様が直面する課題などを的確に把握するとともに、今般創設され、本県には三十四億三千五百万円余の交付が予定されております電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金も有効に活用しながら、時機を逸することなく、機動的な対策を検討してまいりたいと思います。  次は、コロナ禍における県税収入の状況と来年度の予算編成方針についての御質問がございました。
     今年度の県税収入の状況につきましては、過去二番目の税収規模となりました昨年度に比べ、八月末実績で調定額一〇〇・二%、徴収額一〇〇・四%となっており、現時点では順調に推移をしているところであります。  また、円安や物価高騰による本県経済への影響についてでございますが、円安は企業にとってプラスとマイナスの両面がございます。物価高騰も、価格転嫁ができなければ企業の収支を圧迫することなどが考えられます。また、事業者の事業内容や事業年度によりその影響の範囲が異なることなどから、県税収入への影響につきましては一概に増減収の予測が難しい側面がございます。また、地方消費税貨物割についても、輸入額の増減に左右されることから、今後の県税収入につきましては、引き続き経済状況の動向などを踏まえつつ、慎重に見極めていきたいと考えております。  また、令和三年度決算における県税収入の増加のことでございますが、輸入額の増加による貨物割の増などによる地方消費税の増加や新型コロナウイルス感染症の企業業績への影響もある中で、法人事業税がその大きなウエートを占める製造業を中心に増加したことなどによるものでございます。  また、来年度当初予算編成に当たりましては、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策や原油・物価高騰対策をはじめとする山積する諸課題に着実に対応しつつ、香川の将来を見通し、その発展を実現していくための各種施策にも積極的に取り組んでまいる所存であり、このためには議員御指摘のとおり財源の確保が重要でございます。昨年十一月に策定した新たな財政運営指針では、令和七年度までの計画期間中に何らの対策を講じなければ、毎年度多額の収支不足が生じる見込みになっておりますけれども、未利用地の売却や地方創生推進交付金、資金手当債の活用などの歳入確保策、また、事業の廃止・見直しの徹底、行政経費の節減や事務の効率化の徹底などの歳出抑制策を講じることで計画期間中の収支均衡を図り、併せて新規重点事業の実施に必要な財源を確保することに取り組んでまいりたいと思います。  このため、まずは私自身、当該指針における財政健全化の取組内容や進捗状況を確認するとともに、既存の政策や事業を総点検して、県税収入をはじめとする財源の確保を含め、今後の財政見通しを的確に把握した上で、財政の持続可能性を確保しつつ、香川の発展を目指す新たな取組などによって、経済と財政の好循環を生み出せるよう、その第一歩となる予算編成にしてまいりたいと考えております。  次は、「香川New100PLAN」についての御質問がございました。  私の県政運営の柱の一つである「県民100万人計画」についてでございますけれども、子育て環境や教育環境などの充実によりまして、住みたくなる香川を目指すものであります。そのうち、お尋ねの「子育てしやすい香川県」の実現のためには、御指摘のように、誰もが安心して子育てができるように施策を総合的に推進していかなければなりません。そして、その結果として、社会全体で子育てを応援する、そういう機運を高めていくことが必要であると考えております。妊娠や出産、子育てに関する不安や悩みを軽減するための切れ目ない相談支援体制の充実・強化や、病児保育や求職中保育の受入れ体制の充実などの施策を総合的に推進してまいりたいと思います。そして、社会的機運の醸成を図り、この子育て支援の充実に強力に取り組んでまいりたいと思います。  次に、第二の柱である「デジタル田園都市100計画」でございますけれども、デジタル技術も活用しながら経済発展に向けた活力ある香川を目指すものであります。お尋ねの生産拠点としての力を発揮させることにつきましては、スタートアップの支援をするとともに、戦略的な企業誘致に取り組み、企業の立地を進めていく、このことが重要であると考えております。  具体的には、スタートアップにつきましては、創業の初期段階の経費補助、サンポート高松に設置したSetouchi─i─Base(セトウチ・アイ・ベース)の中での起業経験のあるコーディネーターの配置による各種の相談窓口の充実、また、今後は都市と地方の地理的に不利な状況が解消できるデジタル技術が広まりますので、スタートアップの創出に向けた環境の整備や育成の強化にも取り組んでまいりたいと思います。  また、企業の海外生産拠点の国内回帰の動きや地方での拠点整備の機運の高まりを好機と捉えて、企業誘致を図りたいと思います。そのために用地の確保を進めるとともに、本県の交通網の整備や優れた立地環境を整える、このようなことをパッケージとして推進してまいりたいと思います。また、本県への立地を私自身が直接、企業のトップにも働きかけをしたいと思います。本県経済に活力を与える魅力のある企業の立地を促進して、経済を牽引する力を創出したいと思います。  農業の再生のお話がございました。高品質で特色ある県産農産品の強みを生かして、さらなる生産拡大と品質向上に取り組むとともに、eコマース(電子商取引)を活用した販路の拡大、東京や大阪市場でのトップセールス、地産地消の推進などにより、需要拡大を図ってまいりたいと思います。また、こうした取組のベースとなります担い手の確保や育成、農地の集積・集約化、圃場の整備、また、スマート農業の普及などによります農業生産の土台となる生産基盤の強化を図ってまいりたいと思います。  第三の柱であります「にぎわい100計画」でございますけれども、訪れたくなる香川を目指すものでありまして、お尋ねの交流人口を増やすための新たな取組につきましては、サンポート高松地区においては新県立体育館などの新しい施設整備が進んでおりますけれども、その施設整備に併せまして、地区全体としてにぎわいがある一大プロムナードとなるように、歩行者が安全で快適に歩ける空間づくりをさらに進めてまいりたいと、このように考えております。  また、多島美が織りなす美しい瀬戸内海の風景、これに国内外からの高い評価がされてきております。本県の重要な観光資源であることから、そういった付加価値の高い旅行商品の造成を図るとともに、本県への観光誘客を促進してまいります。そして、まずは県民の皆様に、これまで以上に島へ足を運んでいただきまして、瀬戸内海や島々の魅力を満喫していただき、SNSなどで発信していただけるようにいろいろな取組を進めたいと思います。  「100」という言葉についてのお尋ねがございました。人生百年時代、香川県民百万人の言葉が表すように、私は百という数字には大きな可能性や希望を示す意味があると考えておりまして、「100計画」は、新たな香川への飛躍に向けて、県民の皆様とともに数多くの挑戦をしたいという思いを込めて掲げたものでございます。  次に、主要農作物の種子の生産などに関する条例の制定についての御質問がございました。  いわゆる種子法が廃止され四年以上が経過をいたしましたけれども、本県の主要農作物である米麦の生産振興を図る上では、優良な種子を従来と同水準の品質と価格で安定的に供給できる体制を維持することは重要であると考えており、そのためには県が主体的な役割を担う必要があると考えております。  このため、県では、平成二十九年に香川県主要農作物採種事業実施要領を改正しまして、原種などの生産や奨励品種の決定など、従来の種子法に規定されていた県の役割を明記をいたしております。また、JA香川県や香川県主要作物種子協会との連携の下、要領に基づいて生産・供給体制を構築することにより、「おいでまい」や「さぬきの夢」などの県オリジナル品種を含め、水稲、麦、大豆の奨励品種などの優良な種子の生産・供給を着実に進めているところでございます。また、農業者の方々にも安心して農業生産に取り組んでいただけるように、このような県の考え方や要領に基づく取組につきまして、各種講習会や農業団体を通じて広く周知をいたしまして、理解の促進に努めてきているところでございます。  このような取組を通じまして、種子法の廃止前と同様に、水稲、麦、大豆の優良な種子が適正な価格で安定的に供給されていると認識しておりまして、県としては要領の着実な実施により、種子を守る会香川からの要望書に挙げられたような懸念が生じることなく、適切な対応が図られているものと考えております。県としましては、農業者の方々が将来にわたり安心して高品質な主要農作物を生産していけるよう、引き続き関係団体との連携の下、責任を持って種子の生産・供給体制を堅持し、優良な種子の安定供給に努めてまいります。  最後に、クラウドファンディングによるドクターカーの更新についての御質問がございました。  中央病院のドクターカーにつきましては、連携医療機関への患者の転院搬送に使用されているほか、DMATの派遣にも活用されており、整備後二十四年が経過することから、今回、中央病院において、その更新のためのふるさと納税を活用したクラウドファンディングを実施しているものでございます。このドクターカーは平成十年三月に県立病院事業会計で整備したものでございまして、その更新に当たりまして、中央病院においては職員の提案に基づきまして、ふだんあまり知られていないドクターカーについて県民に理解を深めていただくきっかけになることや、医療従事者のモチベーションの向上にもつながるといった効果が期待されることに着目をしまして、ふるさと納税の寄附金の使途をより具体化したクラウドファンディングを実施することとしたものでございます。  なお、目標金額千六百万円の中に議員御指摘の委託料三百万円が含まれていることや、二千円の自己負担金が生じる仕組みとなってることについては、ウェブなどの広報の中であらかじめ説明しており、こうしたことを理解した上で寄附をいただいているものと考えております。  ふるさと納税を活用した今回のクラウドファンディングについては、県内在住の方の場合にあっても、例えば県民税について、県の一般会計への納付に代えて、県立病院事業会計にドクターカーの更新に充てるための寄附をいただくというものであり、県民の理解を深め、医療従事者のモチベーションの向上を図るといった点で、一定の効果があったと考えております。今後とも、こうした取組を導入する際には、その趣旨や目的、効果等を十分に検討してまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁は終わりました。  代表による質疑・質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)次に、日程第八、決算行政評価特別委員会設置の件を議題といたします。  議案第十四号から第十七号までの決算の認定に関する四議案を審査するため、十三人の委員をもって構成する決算行政評価特別委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(高城宗幸君)御異議なしと認め、決算行政評価特別委員会を設置することに決定いたしました。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)ただいまの決算行政評価特別委員会の設置に伴い、委員及び正副委員長の選任を必要といたしますので、この際、決算行政評価特別委員会委員及び正副委員長選任の件を日程に追加し、直ちに議題といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(高城宗幸君)御異議なしと認め、決算行政評価特別委員会委員及び正副委員長選任の件を議題といたします。  職員に指名案を配付させます。    (指名案配付)          決算行政評価特別委員会委員指名案 ┌───────────────────────────────┐ │       委                員      │ ├───────┬───────┬───────┬───────┤ │松 岡 里 佳│白 川 和 幸│氏 家 孝 志│松 原 哲 也│ ├───────┼───────┼───────┼───────┤ │新 田 耕 造│西 川 昭 吾│花 崎 光 弘│松 本 公 継│ ├───────┼───────┼───────┼───────┤ │石 川   豊│森   裕 行│高 田 良 徳│広 瀬 良 隆│ ├───────┼───────┼───────┼───────┤ │鏡 原 慎一郎│       │       │       │ └───────┴───────┴───────┴───────┘         決算行政評価特別委員会正副委員長指名案 ┌───────────────┬───────────────┐ │  委    員    長  │  副  委  員  長   │ ├───────────────┼───────────────┤ │    西 川 昭 吾    │    松 岡 里 佳    │ └───────────────┴───────────────┘    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)お諮りいたします。  委員及び正副委員長の選任については、委員会条例第八条第一項及び第十条第二項の規定により、お手元に配付の指名案のとおり指名することに賛成の諸君の御起立を求めます。    (賛成者起立) ◯議長(高城宗幸君)起立多数、よって本件は、お手元に配付の指名案のとおり指名いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)次に、議案第一号から第十一号まで、及び議案第十三号の十二議案及び陳情を、お手元に配付の委員会付託一覧表及び請願陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)お諮りいたします。  議案第十四号から第十七号までの決算の認定に関する四議案を、決算行政評価特別委員会に付託いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(高城宗幸君)御異議なしと認め、そのように決定いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)お諮りいたします。  委員会審査等のため、九月二十七日から九月三十日まで、及び十月三日から十月七日までの九日間を休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(高城宗幸君)御異議なしと認め、そのように決定いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、十月十一日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。  本日は、これをもって散会いたします。                           午後三時十九分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....